第24話 ミイラ取りは、いつしか特大ミイラへ!

 K高校JRCのおにいさんたちと顧問の先生は、映画を見せてくれた。

 それだけでなく、いろいろなモノを持ってきてくれた。ありがたや。

 その中に、ある筆箱があった。


魔法の天使 クリーミーマミ


 1980年代前半に放映されていた、とある美少女アニメ。


 かの元入所児童氏の所有に至ったわけではないが、なぜか目についたという。

 その残像、なぜか数年以上にわたり、彼の瞼(まぶた)に焼付いていた。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 彼は大学合格後、とあるアニメファンの先輩に出会った。

 その「先輩」はO大学裏手(ガクウラ)の下宿・毎日荘33号室に住んでいた。

 当時の学生アパートの例にもれず、この地もまた、一種の梁山泊だった。


 ある日、彼はいつものようにその下宿を訪れた。

 かの御仁、かのアニメを見ていた。

 彼の瞼のあの筆箱の残像、今にもシンクロしかけていた。


かかるアニメを見るが如き者は、宮*某の同類也!


 彼はいつも、そんな主張を繰り返していた。

 いわば「ミイラ取り」の急先鋒だった。

 それがどういうわけか、ミイラ取りが・・・、


ミイラ取りはミイラを通り越し、特大ミイラへと進化した!


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 その後彼は見事に、そう、モノの、見事に!

 土曜日の19時からのアニメ番組にはまってしまったのである!!

 そのアニメは、愛と正義のセーラー服*****~!


美少女戦士・セーラームーン


 彼がセーラームーンファンであることは、鉄道趣味者である以上に、

 晴れて天下に知れ渡るところとなったのである!


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 これ思うになぁ・・・、

瞼の母じゃなく、瞼の美少女アニメ、ってか?

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