第21話 ほのかに楽しい金曜日・底抜け愉快なカックラキン

 ハナキン = 鼻の金曜日(?)、じゃなくて、花の金曜日(!)、ね!


 あの頃はまだ、土曜日も昼までは仕事や学校があったのねん。

 そんな時代。

 一部大企業が、週休2日制を導入していたっけ。

 そんな時代。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 さーて、金曜日ともなれば、空気もいささか緩んでくるのね~ん。

 明日は土曜日、昼からお休み! ってか?

 というよりぃ、そうなのねん!


 学校から帰って早くから一杯(飯)食わされ、腹も減る。

 そしたらおやつと称して、各自の部屋でみんなで食べる。

 これはね、自由の森の運営者の意図があったの。


 みんなで集まって食堂で食べるより、できるだけ部屋で食事を。

 そうすることで、「家庭の雰囲気」を感じさせよう。


 ま、子どもだましの延長みたいなものかも。

 でも、そうでも、しないと、ね。以下、略。


 テレビ見ながらのご飯はだめというものの、おやつならいいらしい。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 

カックラキン大放送


 そういう番組が、19時30分から30分、毎週金曜日に放映されていた。

 テレビを見る時間を制限していると言っても、30分ぐらいは問題ない。

 で、みんなで見るのよ。

 白黒テレビを!

 テレビの画像は、くっきりよりむしろ、ほのかな色合いだったっけ。


 でも、番組は、底抜けに愉快で明るかった。

 そこは救いだったかもね。

 福祉行政によって仕立てられた、「孤児」まがいの囚われの身には。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 これは、まだ文教地区にあったころの「自由の森」の物語。

 昭和が50年以上続き、永遠に続くかと思われていた、そんな頃。


 テレビを見ながらおやつを食べて、

 一家団欒ごっこ(=ままごと会)、ってか?

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