第7話 金曜日の朝ごはん?~たまごかけごはん!

 毎週金曜日は亜細亜の日。

 後に彼は、そんなことを銘打ってネットに書込んでいた。

 金曜日は、彼の住んでいた近所のラーメン店のビールが安くなる日。

 生ビールを、トッピングをつまみにしっかり飲んでいたという。

 そのトッピングの皿は確かに、亜細亜の屋台のつまみみたいだった。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 そうなり得る兆候は、彼の幼少期にあった。

 自由の森の金曜日の、朝ご飯。

 その日の付合せは、生卵1個。

 

・・・ ・・・ ・・・・・・・


 昭和50年代のあの頃はまだ、卵は高級品のイメージが残っていた。

 いくら食べ盛りの少年たちといえども、朝から何個も与えられない。

 そういう「贅沢」はさせてはいけないというのが、自由の森の方針。

 彼らは、1個の生卵を研いで醤油をかけ、さらに、かき混ぜていた。

 そして、おかわりと2回に分けて、ごはんに卵をかけて食べたのだ。

 たまごかけごはんで滋養強壮を蓄え、自由の森は、いよいよ週末に。


・・・ ・・・ ・・・・・・・

 

 もうすぐ、土日がやってくる。

 完全栄養食で、週末を乗り切ろう! ってか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る