養護施設「自由の森」（詩集）

第8話 土曜日の朝ごはん～のりたま！

　今でこそ休み扱いの土曜日ですが、昭和のあの頃は、そうじゃない。

　ただし、気の利いた職場や学校では、昼まででした。

　そう、「半ドン」って言われた日でしたな。

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　さて、自由の森も、週末ともなると雰囲気が少しばかり明るくなる。

　もっとも、それで休みになるのは、幹部職員と事務員数名だけやで。

　若い保母らにとっては、土日も、生活という「仕事」に励むのよね。

　それも、数年の辛抱。

　結婚や転職なんかを理由に、どうせ数年でお別れですから。

　だけど、定年まで３５年以上務めた保母さんも、いたっけ。

　それも、たった一人だけ。

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　ともあれ、土曜日ともなると、なんか、雰囲気が明るくなるのねん。

　この日の朝食は、やっぱりごはんとみそ汁だけど・・・、

　某社の出している「のりたま」なんてふりかけが、出されるのです。

　これを見ると、ああ、週末だな、って気持ちになるのよ。

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　カップヌードルがカップめんの象徴みたいなのと同じように、

　ウォークマンが携帯型テープレコーダーの象徴なのと同じく、

　この「のりたま」という商品は、ふりかけの代名詞なのねん。

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　時がたって、１９９０年代の土曜日の夕方。

　一世を風靡したアニメ「美少女戦士セーラームーン」！

　その「のりたま」を出している会社が、スポンサーになっていました。

　大学を出て間もない頃のことでした。

　やっぱり、毎週土曜日はのりたま、ってか？