第5話 水曜日の朝ごはん~縮緬雑魚(ちりめんじゃこ)

 週の中日(なかび)の水曜日。

 この日も朝は、ごはんとみそ汁。

 黄色いたくあんも、少しはついてきます。

 ごはんってね、うまく炊ければおいしいが、へますると、焦げるのよ。

 業務用の大きな窯で作っているだけに、へますりゃ、大ごと。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 この日も、ちゃんと付合せがあります。

 水曜日のレギュラーは、縮緬雑魚(ちりめんじゃこ)。

 噛むと柔らかく、世にも滋味掬(じみきく)すべきタンパク質!


 しかし、あっさりしすぎてはちょっと。

 そんな子のために、醤油があります。

「醤油とってちょうだい」

 そう言うと、誰かがとってくれます。


「~してちょうだい」

 こんな言い方を暗黙のルールで押し付けていた、そんな食卓。

 いただきますでよさそうなものの、世にも結構な題目を延々と唱えさせていた。

 そんな時代の遺物のような、慣習。

 昭和50年代半ば、1980年代に入ると、さすがにそれはなくなったね。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 だけど、根本的に言葉が無用というわけじゃ、ないよね。

 食事のマナーは言葉から、ってか?

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