養護施設「自由の森」~昭和50年代の少年の記憶

第2話 朝はカッコウ

 6時30分。

 事務室のレコードが鳴り始める。


カッコー カッコー カッコー ・・・ー!


 このレコードは、事務室の中だけで鳴っているわけじゃない。

 マイクが拾い、全館に流される。


 レコードの音とともに、保母という職責の若い女性が各部屋に行く。

 そして、子どもたちを起こす。


 これが、この地の一日の始まり。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 でも、日曜・祭日は、それが7時。

 後に、8時になった。


 寝る子は育つ、ってか?

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