「冒険者ギルドに登録②」
ギルド内で飲んだくれていた冒険者達が、
模擬戦を行うことを聞きつけ闘技場に来ていた
こいつがあの神煌か…
野次馬に紛れてファースト達も、
模擬戦を見に来ているようだな…
林三郎は周りを見回すと、
上位陣も来ていることに気付いたようだ。
「俺に2撃入れてみろ。
お前の技を見るために2撃だ!
遠慮は要らねぇぞ!かかってこい‼」
「おりゃぁぁぁ‼」
左蹴りが林三郎に向かって放たれるが、
難なく躱される。さすがはC級冒険者・・・
「なんだ?この程度か?」
思い上がっているのか…
もう少し様子見るか…
「いや、まだだ!!おりゃぁぁ‼」
右ストレート次に蹴りを繰り出すが、
難なく躱されてしまう…
この一撃に賭けよう…
「そんなものか!!神山!!」
「冒険者志望ではあるが、
戦闘経験ねえんだよ!!」
左ストレートに見せかけて後ろ回し蹴り!!
頼む…当たってくれ…
「左ストレートか?いや、後ろ回し蹴りか…
この距離からじゃ避けきれないな!!」
至近距離からの奇襲か…
がむしゃらながらに立ち向かう姿勢いいぜ!!
一先ず、回し蹴りをどうするか。。。
足を殴れば神山は怪我じゃ済まねえしな…
回し蹴りで対抗してやるか!!
少しの怪我ならなんとかなるだろ!!
「!?ぐっ・・・」
「足が骨折しただけだぞ!
おら一撃は一撃だ!!喜べよ!!」
防御面も試験してみるか!!
「えっ?ありがとうございます?」
「神山、体術はもういいぞ。
防御面も見たいから俺から攻撃していいか?
攻撃て言っても手加減するがいいか?」
「えっ、防御ですか?自信ないですよ…」
「冒険者たるもの攻防できないと、
ダンジョン内外問わず死ぬぞ…
それに、冒険者の命は軽いぞ。
骨が折れていようと動けなければ、
冒険者は諦めるんだな!!」
「死ぬのは嫌だな…
自信がないですがやります!」
「良い気合いだ!オラァァァ!!!?」
左蹴りが頭に当たるはずだったのを、
腹で受け流してやがる…たまたまか?
「ひぃいい怖いな…。
でも、当たる場所を変えることはできる。」
腹に当たれば痛かろうと耐えれる…
痛いっぃぃぃぃぃぃ…
でも、耐えれないことはない!気合いだ!
気合を込めて踏ん張れ!諦めるんじゃねえ!!
「勢いの付いた右ストレートで腹を狙ってやるか…なにっ!?」
スピードが乗った拳を体をずらして、
致命傷を避けてるのか!?
「拳が速いがほんの少し体は逸らせる…」
少し掠るが痛みを許容しよう…
痛いいぃぃぃぃぃ…気合で耐えろ。。
こいつ動きは遅いし、攻撃力はないが、
磨けば良くなるかもな…
命の危機を察知して避けてやがるな…
経験から成る動きだな。
あ?ファースト達…なんのつもりだ…?
この模擬戦は俺と神山の戦いだ!!
邪魔するんじゃねえ!!
あいつらに介入されるぐらいなら、
俺の手で終わりにしてやる!
「身体強化!!
「ぐはっ・・・ふ、ふぅ・・・
今のは…なんですか…?」
「反則技だ…すまなかったな…」
「反則技?あの振動がですか?」
「いや、身体強化を使っちまったことだ…
その詫びと言っては何だが、
成長を促進できるよう、
発勁で一度ボロボロにしたんだ…」
「ほへー魔法ですか!!俺も使えるのかな?」
「可能性は秘めていると思うぞ!
それよりも、手加減してたがいてえだろ…
ほら、ポーションだ。ポーションを飲んだら、
痛みや傷がすぐに治るぞ!」
「ありがとうございます。
手加減していただいてるのに、
怪我してしまいすみません。
このポーションて何ですか?」
「ポーションてのはな、
下級→中級→上級→超級があり、
それは中級ポーションだから、
気にしないでいいぜ!!」
「ありがとうございます!グビグビッ…
味悪くないな。傷も無くなって痛みもないです!すごいですね!」
「まぁな、味をまず気にするのか…
ダンジョンに潜っているとポーションは必需品だからな!」
「そうなんですね。俺の試験は合格ですか?」
「あぁ、合格だよ。受付で冒険者カードを発行してもらうぞ!ついてこい!」
「わかりました!」
「嬢ちゃん、試験終わったぞ…
攻防共に将来性があるぞ!神山は合格だ!
冒険者カードを発行してくれ」
「かしこまりました。少々お待ちください…」
こちらが神山さんの冒険者カードです」
「ありがとうございます」
「神山、これから頑張れよ‼じゃあな‼」
「色々ありがとうございます」
「冒険者ギルドのルールやクエストの、
受け方などお聞きしますか?」
「はい、お願いします」
------------------------------------------------------------
・冒険者ギルド内で争わない
・冒険者C級から緊急招集制度があり、
スタンピードが発生時緊急招集が行われます。
・緊急招集の要請に従わなかった場合、
冒険者カード失効され、
2度と作れない使用になってます。
・例外として、活動が困難な冒険者さんには、
ランク問わず要請を行わない決まりです。
・クエストの受け方は冒険者の自由です。
・犯罪者の討伐依頼や住民の依頼などは、
ボードに掲載させていただいております。
・ランクが上がれば指名依頼もあります。
指名依頼に強制力はありません。
自由に活動をなさってください。
・冒険者登録を終えられ、
冒険者カードを所持していると、
ダンジョンの出入りが自由になります。
・ダンジョンで得たアイテムや素材は、
冒険者ギルドに売買することで功績が増えます
・アイテム採取の場合は指定のアイテムを、
受付に持って来てください。
・報酬のお金は冒険者カードと連結済みの、
口座に振り込みます。
口座情報は別途用紙に記入の上、
受付に提出ください。」
「ありがとうございます。
口座登録したいので用紙ください。」
「はい、こちらをご記入ください。」
「書けました!」
「はい、不備ないですね。
これにて登録完了です。
冒険者活動は死が限りなく近いので、
慢心しないよう気を付けてください!」
「ありがとうございます。今からできる採取系
のクエストはありますか?」
――――――――――――――――――――
林三郎視点
神山と別れてからの出来事だ・・・
「林三郎さんどうでした?」
「あいつは攻撃はそこまでだが、
防御がずば抜けている」
「そんなにですか?平凡なのにですか?」
「あぁ、この先、生死を彷徨うかもしれねぇか
らな。しっかり見てやったぜ…
体術だけなら経験さえ積み重ねれば化けるぞ!
防御面でも避けることや受け流すことには得意みたいだ!」
「化けるといいですね」
「あいつは化けるぞ!それ以上にA級以上に、
なりそうな予感がする…」
「そんなにですか…逸材ですね」
「そうだな…ではあんたも頑張れよ!」
「はい。ありがとうございます。」
林三郎は受付嬢と別れ、
後輩の川上に声を掛けた。
「川上は今日もダンジョンに潜るのか?」
「はい!模擬戦を見てから体が疼いていまして…」
「そうか…ダンジョンで油断するなよ!!」
「はい!!」
・・・
林三郎はファースト達に会いに、
冒険者ギルド2階に向かった。
「失礼するぜ!!」
林三郎…それで何の用だ…?」
「お前らがしでかした後処理だ。なぁファースト…何故、模擬戦に介入したんだ?」
鎌田「はて?俺は介入していないよ」
御手洗「林三郎が弱いだけでしょ…」
石塚「弱者だから介入される。」
中尾「妄言かな…妄言だよね…?」
「腹を割って話せないか…」
鎌田「うーん。無理かな…」
石塚「無理。」
御手洗「嫌!」
中尾「話しているよ…」
「そうか・・・そうだったな・・・」
御手洗「私達はSSS級よ!!
わかって当然でしょ!」
石塚「理解できてえらいえらい。」
中尾「・・・」
鎌田「林三郎…悪いな…」
「窮地を助けてくれた
俺も引けねえ!
介入を許した俺が弱いのは認めてやる。
だがよ…新人をいじめるのが強者の務めか?
ファーストがSSS級とは端から思ってねえよ!
分不相応な役職を押し付けられた一般人だろ!
鎌田以外は怠慢なクズの集まりでしかない…」
「林三郎・・・肩書に関してどう思おうが構わ
ないが、彼女たちのことを悪く言うのはやめて
くれ。そして、今すぐ、発言を取り消してくれないか…」
「俺は冒険者として役目を果たす!
それが冒険者としてあるべき姿だ!!
撤回すれば、介入した理由を答えるか?」
「それは無理な相談だな。ファーストは肩書に
見合った務めを果たすだけだ!」
「あぁ…だが、撤回はしない。
何一つ間違えではないだろ。。。
功績を残し続けているのも鎌田じゃねえか!」
「彼女たちは僕のサポートに、
回ってもらっているからね。
功績が報道されないのも仕方ないよ。」
「クソだな…それが鎌田の望んでいたことか?」
「あぁ・・・そうだ・・・」
「そうか・・・これからもファーストとして、
知名度を上げてギルドを繁栄させてくれよ!!
じゃあな!!」
去り際に林三郎は鎌田に小声で、
「彼女たちには悪いと伝えてくれ…
すまなかったな…」と伝え帰った。
石塚「あの人…うざいわ!!」
御手洗「鎌田さん大丈夫?」
中尾「…」
鎌田「林三郎はいつも通りだよw
介入した理由も知られちゃったね…」
石塚「どうするのよ!?」
御手洗「林三郎殺す?処分する?」
中尾「林三郎は大丈夫だよ…」
鎌田「林三郎は殺さない。放置で大丈夫だよ!」
------------------------------------------------------------
【ファースト】(メンバー)
・
・
・
・
―――――――――――――――――――
次回初ダンジョンです!
毎日投稿する予定です…
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