第25話025「魔法騎士科・騎士科」
入学式が終わると、私たちは校舎へ移動した。
武闘ホールを出た私たちはそのまま『魔法自由科棟』へ向かった。学園の校舎は3学科ごとに建物が分かれているが、校舎内は移動通路を介してつながっているので校舎内で往来は可能だ。
さて、学園には『魔法自由科』以外にも2つの学科があるのだが⋯⋯⋯⋯ここで少し魔法学園の学科について話をしよう。
セルティア魔法学園には『魔法騎士科』『騎士科』『魔法自由科』と3学科あり、私はそこの『魔法自由科』に入学した。ちなみに、パッと見『魔法騎士科』『騎士科』は字面で何となくどういう学科かイメージできると思うが、『魔法自由科』はまったくイミフだろう。私もそうだった。
この『魔法自由科』というのは『魔法を自由に探求する学科』というのが
え? 何で『本来』を強調したかって?
それは、現在その体をなしていないからだ。
おっと、その前にまずは『魔法騎士科』と『騎士科』の紹介からさせていただきたい。というのも、私の通う『魔法自由科』があまりに
ということで、早速⋯⋯⋯⋯最初は『魔法騎士科』から行こう。
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——『魔法騎士科』
セルティア魔法学園の3学科の中でも『花形学科』とされている学科で、この『魔法騎士科』に入れるのは『六大魔法士で上級士以上の称号を持つ者』のみである。
では、どういう者たちが多いかというと、それは『王族・貴族』がほとんど。つまり、エリートだ。
このセルティア王国だけでなく、この世界では『王族や貴族の六大魔法士』は、ほとんど例外なく上級士以上の称号持ちだ。なので、王族・貴族が固まるのは自然の摂理である。
ただ、ごく稀にではあるが『平民(貧民)』『獣人』『亜人』からも条件に見合う生徒が出てくることもある。ちなみに、今年は
「そういや、『神託の儀』では私の世代は『
まー、そんな人とは会うことないだろうけど。
あと、『魔法騎士科』の生徒たちは『騎士科』と仲が悪い。ていうか、『騎士科』を一方的に蔑んでいる。理由は、『騎士科』はそのほとんどが称号が『生活魔法士』である平民(貧民)や獣人・亜人がほとんどだからだ。
あと、そもそも『騎士科』に王族・貴族はこれまでの歴史でもいない。なぜなら、王族・貴族の称号が『生活魔法士』であってはならないからだ。
王族・貴族に生活魔法士が生まれないわけではない。生まれても
とはいえ、別に『魔法自由科』は大丈夫ということもない。『魔法騎士科』は『魔法自由科』もちゃんと蔑んでいる。ただ、『魔法自由科』は特殊な環境であるため、正しくは『相手にしていない』というのが真実だ。
まーとにかく、『魔法騎士科はエリートが通う学科』と思っていただければ問題ない。
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——『騎士科』
この学科は主に『剣術・武術の才能がある生活魔法士』だけしかいない。王族・貴族がこの学科に入ることはないのでこの学科には『平民・獣人・亜人』が在籍している。
こういう学科の特徴からも『王族・貴族がほとんどの魔法騎士科』が『平民や獣人・亜人しかいない騎士科』をいじめるのも想像に
一応、先ほど、入学式で学園長が魔法学園の校内では『身分無礼講』という『身分による威圧を禁止する校則』があるが、実際の現場では明らかな身分差によるイジメが横行しており、その典型的な例がこの『魔法騎士科』と『騎士科』の関係性と言えるだろう。
ちなみに、教師のほとんどはそういった場面に出くわしても『見て見ぬフリ』を決め込むのがほとんどらしい。理由はクビになるから。
まー、一般的には「教師なんだから止めろよ!」という声がほとんどかもしれないが、しかし、個人的には「まー仕方ないよね」と思ってしまう。だって、教師うんぬん以前に国がしっかりと貴族を管理していないからだしね。それを教師のせいにされても⋯⋯ねぇ?
「力なき者はいつの時代も声をあげることは困難⋯⋯てね。まー、ここは時代を飛び越えた異世界⋯⋯ではあるけれど」
さて、そんな『魔法騎士科』にいびられている
まさに、ただの八つ当たりではあるのだが、しかし、この世界もまた『強い者が弱いものを力で抑える世界』なので、これも受け入れなければいけない現実なのだろう。あー世知辛い。
ちなみに、そのストレスの捌け口役となるのは『魔法自由科』の中でも『ある一部の生徒たち』に限るのだが⋯⋯。
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「イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵(ギフト)というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜」
https://kakuyomu.jp/works/16817330650503458404
毎日お昼12時更新(現在は投稿休止中。4月27日(土)から再開予定)。
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mitsuzo
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