保育園でも様々   ー3つの保育園ー


”専業主婦になりたい”

それは、私の高校生の頃の口癖。


そして大人になって勤めていた職場は、家族経営の中に1人、自分が入り込んでいた。


ある日、他社営業さんが私の職場にやってきた時のこと。


差し出す珈琲を持って談話室に入ろうとしたら聞こえてきた会話。


「もし従業員さんに子供ができたらどうすんすか~?」


他社営業さんの声だった。


家族経営なので、明らかに私の話で間違いない。


「いやいや、育休とかで休まれたら困るから。」


平然と答える上司。


私は、”迷惑かけられない・休めない”という暗示にかけられていた。


そしていざ妊娠して出産。


法律で決められている産休期間のみ休み、生後56日がくると仕事に戻ることとなった。


もちろん会社に育休を取りたいと申し出ると、会社は断ることはできない。


しかし私はそれを言うことが出来なかった。


保育園に関しても、待機児童問題を耳にしていたが不思議とどうにかなる気がしていた。



***



赤ちゃんはずっと見てても見ていても飽きない。


癒しだ。


この時間が止まればいいのに、そう何度願ったことか・・・。


なーんて、ゆっくりしている暇はなく次々と保育園の見学へ。


【☆園】

生後56日から受け入れ可能な認可保育園。


結構小さな保育園だ。


園長先生が対応して下さり、施設内の案内が始まった。


体調が悪いのかひどく咳き込んでおり、話は少しだけにした。


記憶に残っているのは、

 ●ミルクは、ほ〇えみしか使わない

 ●床暖なので裸足で過ごす

 ●子供たちが「園長先生~!」と集まってきて足に抱き着き可愛かった


よし、きみにきめた。

そう思って福祉事務所へ足を運び、即申し込み手続き。


園長先生情報では、現状受け入れ枠が1人分あるが

数日前にも見学者がいて申し込むと言っていたとのこと。


そして内定結果発表の日。


結果は電話で発表される。


「3人申し込みがありまして、そのうち入園できるのは1人です。抽選となりますのでA~Zのアルファベットを2つ選んでください。」


なんだ??そういう抽選なの??


自分が何のアルファベットを答えたかは覚えていないが、結果は落選。





【A園】

生後56日から受け入れ可能な認可外保育園。


見学と同時にその場で申し込んだ。


・入会金:10,000円

・保育料 全年齢 月額:50,000円(通常保育時間7時半~17時半)

 我が家は仕事の勤務時間的に延長保育となるため、55,000円

・1階がカフェで、2階が保育園

 飲食店ということで火災のリスクが高く感じて訊ねてみると「避難訓練は月1回実施」とのこと

 赤ちゃんは自分では逃げられないもんね。ちゃんと訊ねないと。

・慣らし保育はない

 念のため私の希望で慣らし保育はしてもらった



保育料が私のお給料の約半分!!


仕事行かずに育児手当もらってる方がお財布が分厚くなります!!笑

(ちなみに、後に認可保育園に転園する際、両方の保育料を払っている月もありました。)


通った期間は約2ヶ月で、園の特徴としては、

 ●衣類は最初に何着か鞄に詰めて預ける

  汚れたら園で洗濯するので、持ち帰りは一切なし

  少しでも家事を減らして、家庭での時間を大切にして欲しいという園の考え

 ●布団の持ち込みも不要 保育園の布団を使用

 ●そのほかの必要なものは一切なし

  例えばお尻拭きや哺乳瓶、エプロンなども不要で全て保育園のものを使用


本当に子供だけを連れていけば良いだけだし、洗濯物も増えないしで助かった。


先生も色々とアドバイスや優しい言葉ももらえたし、ママに優しい保育園。


今でもよく覚えている会話がある。


「先生は私より子供と長く過ごしているから、先生のことをママだと思ってそう・・・。」


「子供にとって私達保育士は、決してママには勝てません。」


弱気な私にかけてくれたこの一言に支えられた。


しかし、別れはやってくる。


別の認可保育園の内定をいただいたのだ。


見学すら行っていない少し大きな保育園。


B保育園の先生たちに内定を知らせると、一緒になって喜んでくれた。


今後のスケジュールとしては、認可保育園の慣らし保育があるため1ヶ月は両方の園に通う。


慣らし保育は、初日30分から始まるため、

そのあとはB保育園に預けて仕事へ行くという感じ。

(保育園と仕事を行ったり来たりで私も疲れたが、子供はもっと疲れていたのだと思う・・・。)


認可保育園と違って、入園・退園の手続きはとても簡単だった。


周囲には「認可外なんて怖くて預けれないわ」という冷たい言葉をかけてくる人も勿論いた。


でも、園生活のなかには”認可外だからこそ”の素晴らしさを実感。


何も知らずに認可外を嫌う人たちにも知って欲しい良さ沢山があります。



B保育園の最終日には、お世話になった先生が「最後に抱っこさせてください・・・。」って涙ぐみながら言ってくれて、すごく嬉しかった。


沢山の先生方にお世話になって、”私の子には沢山の母がいた”と今でもそう思います。





【B保育園】

生後3ヶ月から受け入れ可能な認可保育園(私立)。


●缶ミルクは毎月持ち込み

 使用後の缶は家庭に持ち帰り

●エプロン・哺乳瓶・紙オムツ・お尻拭き・布オムツ・オムツカバー持ち込み

 汚れた衣類だけでなく、使用済の紙オムツも持ち帰り

●布団は汚れて頻繁に持ち帰り

●1日1枚レジ袋が必要 紙布オムツや汚れた服入れ

●床暖のため、裸足で過ごす

●教室に保護者は入れない

 ドアの前で子供とバイバイ

 カバン等荷物は外に掛ける場所がある

 エプロンと紙オムツは外のダンボールへ入れる

 布団も勿論、外(笑)

●慣らし保育で色んな時間に迎え行ったが、外遊びしてるとこを見たことない

 ・・・偶然かもしれないが

●行事は全て平日

●その日のできごとなどがよく分からない


オムツも持ち帰りはカバンの中がすぐ臭くなったし、エプロンもすぐにカビまみれ。

(ほかのお友達のオムツが入っていることもよくあった。)


保護者は教室に入れないから分からないけど廊下やロビーは埃まみれ。


裸足で生活してるのに・・・。


そして、荷物は全て外に置くから大雨の日とか濡れる。


勿論布団もビショ濡れ・・・。


すごい頻度で病気をもらって帰っていた。

(今になって思うと、結構衛生面が・・・。)


のちに、兄弟も増えたし、引っ越し予定もあるため、転園。




【C保育園】

生後3ヶ月から受け入れ可能な認可保育園(私立)。


●缶ミルク代は無料

 B保育園では自費で持ち込みだったため驚いた

 市から寄付されてるらしい(しかも森●の良いお値段のやつ)

 次男は牛乳アレルギーが発覚したため、もっと値段の高いミルクを使用することになったが、ミルク代は請求されない

●エプロン持ち込み

●哺乳瓶は保育園のを使用

●紙オムツ持ち込みだけどお尻拭きは保育園のを使用

 使用済の紙オムツは保育園で捨ててくれる

●トレーニングパンツ持ち込みだけど布パットは保育園のを使用

●レジ袋は数日に1枚 布オムツや汚れた服入れ

●床暖だが、裸足だったり上履き使用だったり

●教室に保護者も入れる

●慣らし保育で色んな時間に迎えにいったが、雨の日以外は毎日園庭で外遊びしてる●行事は平日だったり休日だったり

 卒園式はかならず土曜日(今までに関わったことのある全学年の先生が参加できるようにするため)

●毎日16時頃に大人数の先生が掃除を始める(園内はやはり綺麗)

●保育園で夏祭りがある

●その日のできごとを先生がよく話してくれる


ミルクを市から寄付してもらってることに驚き!

B園と同じ市なのに…。


使用済の紙オムツを捨ててくれるからカバンの中も臭くならなーい!!

エプロンも乾かしてからカバンに入れてくれてるのかカビ生えなーい!!


保護者が教室に入れる!

保護者が子供と一緒に荷物を棚にしまうのは、間違え防止のためらしい。

確かにB保育園では行方不明な服が沢山だったし、そんなものだと思ってた。


布団も教室にしまえるから、雨で濡れる心配もない。


先生めっちゃ掃除してくれてるからほんとに綺麗な保育園!!!


これは珍しい話ですが、スイミングや硬筆、英会話、サッカー教室など、そのほか園内での習い事も充実しており、保育時間中に習い事へ通えるシステムもあった。





パッと思いつくだけで、保育園ってこんなに違いがある。


転園しないと保育園の良さって気付かないよね。


通ってる園のルールしか知らないんだもん。


特にB園とC園の違いには驚いた。


B園を辞めて数ヶ月後、記念品を渡したいから来て欲しいと言われて訪問したが、息子は園に入るだけで大泣きしていた。


そんなこんなで、卒園までC園に通うことができて本当に幸せだと思う。

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