キャラクターで「何を」書くのか(修正版)

※作者コメント※

以前書いたものを今になって見返すと、非常に乱雑だったのでまとめ直しました。

まだまだ複雑な内容ですが、少し分かりやすくなったかな・・・

ーーーーーー


 さて、キャラクターを書くことを考えてみて欲しい。

 君はキャラクターの『何を』書けばいいのだろう?


 ちょっと考えてみよう。


 小説のキャラクターは、ただ登場人物として存在するだけではなく、ストーリーの中で何かしらの変化を経験するものだ。


 その変化は、キャラクター自身の内面や外見、あるいは周囲の環境に関わるものであり、読者にとっては感情移入や共感、学びや刺激になる。


 では、キャラクターを書くときには、どのような要素を考えるべきか?

ここでは、以下の2つの要素を挙げてみよう。


●人より秀でた部分は何で、人より劣った部分は何なのか?


●主人公が目標、目的 ・事件に挑まなかった場合、何がおきるのか?


 これらの要素が問い質したいのは、そのキャラクターが何を求めているのか? そしてそれが失敗するとどうなるのか? という問いだ。


 これらの問いは何を意味しているのだろう?


 結論からいうと、キャラクターがストーリーを通して、何が変化したのか?

 その「答え」を求める事を意味している。


 そして、キャラクターが変化する理由は何か。

 読者の「変わりたい」という欲求を満たすためだ。


 人間は誰しも、自分に満足していない部分や、改善したい部分がある。


 しかし、その方法がわからない場合や、現状を否定する勇気がない場合がほとんどだ。そんな時、架空の人物が自分と似たような悩みや問題に直面し、それを乗り越えて成長する姿を見れば、自分も変われるかもしれないという希望や勇気を得られるのだ。


(ただし、これは読者に興味をもたせる手法、その一つに過ぎないことを注意すること)


 そして、こうしたキャラクターの変化は『情報』ではなく『動作』で表現すること。


 ここでいう『情報』とは、キャラクターの名前、年齢、職業や趣味……。

 そうしたモノのことだ。


 キャラクターの職業がヒキニートから勇者に変わった。

 この描写だけでは読者に感情移入させることはできない。


 これは『情報』が変化したにすぎないからだ。


 さて、なぜ情報でなく『動作』にする必要があるのだろう?

 まず『動作』とはなんだろう?


 『動作』とは、キャラクターが話す言葉や行為、表情や仕草を具体的に描写することだ。これらは読者にキャラクターの性格や感情を伝えることができる。


 これがなぜキャラクターの性格や感情を伝えることが出来るのか?


 『動作』の前に『目的』があるからだ。


 例えば、「彼は死んだ魚のような目をして話した」というのはどうだろう。

 これは『情報』だ。なぜならキャラクターの目的が読み取れないからだ。


 これを「彼は虚ろな目をして、私の顔ではなく虚空に向かって話した。それは、ある種の義務感で口を動かしているだけに見えた」と変えるとどうだろうか?


 こちらの描写だと、彼の『目的』を読者が推測して読み取ることが出来る。

 人に興味がなくなり、早く会話を済ませたいという彼の『目的』が見える。

 

 こういった『目的のある動作』は、ストーリーに関わる出来事に対して行われるものだ。


 『ストーリーに関わる出来事』とは、戦争や事故、恋愛や友情などのキャラクターに影響を与える事件のことだ。


 出来事に対してキャラクターが、どんな目的を持って反応し、どう行動し、どう変わっていくかを描くことでストーリーが展開していく。


 出来事(人生の障害)はキャラクターに変化を促すきっかけとなる。

 そして、その変化が何故必要なのか、それは前の部分で述べた。


 もう分かっただろう。

 キャラクターの描写は「何を」書くのか?

 それは彼らの「目的」を書く。

 


 次は構成のチェックにも触れていこうと思う。

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