今夜も一人

今夜も一人

今夜もまた、体の奥が疼きだす。

日に日に増える酒の量も、夜更かしするただの言い訳。

眠らなきゃと言い聞かせ、ベッドに入ってスマホを手にする。

いつものようにサイトに入り、いつものように誰かを待つ。

街に出るなんて勇気もなくて、満たされない欲求だけが膨らんでゆく。

文字だけのやり取りで、心の穴は埋まるだろうか。

体はだれかを求めているけど、捻じれた心が全てを拒否する。

たまにうまくいったとしても、満たされる訳もない。

疼きが限界を超えたとき、無機質な振動に身を任せる。

硬い異物を中に感じて、中から蜜があふれ出す。

それも出来ずに目覚めた朝は、卑屈な自分に蓋をして作り笑いで仕事をこなす。

今日も夜がやって来る。また、酒が飲みたくなる。

そして自分は、今日も一人だ。