第3話 ふきふき

 奏汰がベットの背もたれを上げ下げしていたところを看護師さんに見られてしまい、恥ずかしいまま新しい病室に来ていた。



「もうベットの準備してあるから、いつでも上に乗れるよ!」

「あ、ありがとうございます。.........あの」

「ん?どうしたの」

「乗るの手伝ってもらってもいいですか...」

「あ! 気づかなくてごめんね!」


「それじゃあ...お願いします」

「はい!」


 奏汰は前と同じように支えられ、少し痛むぐらいでベットに乗ることが出来た。


「まだお昼ご飯まで時間あるからテレビとか見てゆっくりしててね! ここ個室だからイヤホン付けなくても大丈夫だからね!」


「はい、分かりました」


「じゃあまたお昼ご飯の時に来るから」


「お願いします」


 とりあえずテレビつけてみよっかな。...うーんあ、そっかまだ9時だ。ニュースとかドラマとかしかやってないや。


 ドラマは途中から見ても分からないから、ニュースでも見ておこうかな。


「先日行われた記者会見で最新型の飛行機が完成したとの発表がありました」


「最新型の飛行機かー」

 窓を開け、空を見上げながら言う。


「あれ......?」

 空ってこんなに青かったっけ。いつも下向いて歩いてたからわかんないな。


 空に飛行機は飛んでいなく、ただ空が青く広いことが分かった。


 その後、奏汰は特にやることも無く、テレビを見たり、外を見たりして暇を潰していたら12時になっていた。



「奏汰さーんご飯持ってきましたよー!」

「ありがとうございます」

「それじゃあ20分後に来ますね」

「はい、分かりました」


 お昼ご飯は焼きそば。入院した事なかったから分からなかったけど普通にこういうのもあるんだ。美味しそう!


 僕はそうそうに食べ始め、10分ぐらいで食べ終わってしまった。


「入院って暇な時間が多いかもなー」

 そんな事を言っていると部屋のドアが開いた。


「奏汰さん。言い忘れていたんだけど、お昼ご飯食べ終わったらタオルで体拭くからね。ってもう食べ終わってるの?」


「美味しくて...」

「そう? 良かった」

「良かった......?」


「じゃあもう体拭いちゃうから服、脱がすね」

「だっ! 大丈夫です! 自分で脱げますから」


「でも痛いんでしょ?」

「ちょっと痛いだけです大丈夫です」


「ほら痛いんじゃない。これで悪化したら入院伸びるよ? ほら遠慮しないで、恥ずかしいのも分かるけどね?」


「そう...ですね。お願いします......」

「はい、よろしい!」


 ......ちょっと嬉しそう? なんで?


「それじゃあ服脱がすねー」

「...はい」


「下はどうする?個室だし、私しかいないから脱いでも......」


「それは本当に大丈夫です!!」


 奏汰は話を遮って言う。


「あらそう?」

「はい! 大丈夫です!!」

「じゃあ今日は上だけね」

「今日は......」


「気にしない気にしなーい! それじゃあ拭いていくね」


「あ......はい」


 はぁー可愛い! 恥ずかしがってる姿も可愛い! ほんと可愛い! なんでこんなに可愛いんだろ?わかんないけど可愛い!



「ちょっと何してるんですか看護師さん! タオルの水、垂れてますよ!」


「え? あっ! ごめんなさい! 後で拭いときますので! ......まず体を拭きましょうか」


「大丈夫ですか? 無理にやらなくても...」


「大丈夫ですよ! ちょっと考え事してただけですから」


「急ですね」

「まっ...まあ! そんな事もありますよ。それじゃあ拭いていきますね!」


「はい、お願いします」


 あー気持ちいい。久しぶりじゃないのに久しぶりな気がするー。


「力加減とか大丈夫そうですか?」

「はい、大丈夫です」

「はーい」


 綺麗な肌、一生触っていたいわ。


「前失礼しますね」

「はい」


 そこからはお互い無言で看護師さんは黙々と僕の体を拭いてくれた。



「はい!終わったよ。はい服」

「ありがとうございます」


「あっ! 忘れてた!」

「なんですか?」


「病院案内!」

「あ、そういえば言ってましたね」


「このままじゃ不便だろうし、服着たら病院を案内するよ!」


「なんかちょっと楽しみです」



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 あとがきです。


 どうも、こんにちはこんばんは。

 まどうふです。


 特別な所でする食事ってより美味しく感じますよね。海の家の焼きそばとか、具のないカレーとか。あの特別感が良いんですよねー^^。


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