第2話 朝食

 突然事故にあった僕は気がついたらそこは病院だった。お医者さんが色々検査してくれた結果僕は、骨折に重度の記憶喪失を負ってしまった。



「おはようございまーす」


「ん......っ」


 あの後すぐ寝てしまったのか。はぁーめっちゃ寝たー。


 看護師さんがベットを操作し起こしてくれて、胸が痛まずに起きれた。こんな事も出来るんだこのベット。


「奏汰さんどうですか体調は?」

「大丈夫です。なんともありません」

「何か思い出したりとかは?」

「無いです」


「何かあれば言ってくださいね。そこのナースコールのボタンを押してもらったら直ぐに行きますので」


「はい、分かりました」


「この後の予定を言っておくと、朝ご飯食べたら個室に部屋移動なの。その後ゆっくりしてお昼ご飯の時に体拭きますね」


「分かりました」

「それじゃあ朝ご飯持ってくるね!」

「はい、お願いします」


 昨日もそうだったけどかなり気さくな人だなぁ話しかけやすい人で良かった、安心したぁ。


 そんなことを思っているとドアがコンコンとノックされ、看護師さんが中へ入ってきた。


「はい、どうぞ朝ご飯」

「ありがとうございます」


 そういえば初めて病院で食べるご飯だ、ちょっと楽しみ。


「20分後ぐらいにまた来るから、ゆっくり食べてね!」

「はい、分かりました」


 そう言って看護師さんは出ていった。それと同時に僕は朝ご飯に目を向けた。


「いただきます」


 僕はお味噌汁をスプーンですくい、口に持っていく。


 ......うーん普通に食べれる食べれるけど、健康を重視したような味がする。まあ病院の食事ってこんなもんだよね。でも果物があるのはちょっと嬉しい。


 僕は黙々と食べ進め、果物を最後まだ残し食べようとすると看護師さんが来た。


「食べ終わりましたー?」

「あと少しで食べ終わります」


「イチゴ......好きなんですか?」

「果物の中一番好きです」


 即答......余程好きなのね。


「あーん」


 無意識であーんって言っちゃってるし。

 可愛いぃぃ!



「食べ終わりました。......看護師さーん、どうしました?」


「看護師さーん!」


「──あっはい!なんでしょう?」

「あの、食べ終わりましたけど......」


「あっ下げますね! 下げたら部屋の移動をしましょう!」


「あ......はい」


 危ない危ない。可愛すぎてボーっとしちゃってた。次からは気をつけないと!



 さっきの看護師さん変だったな。大丈夫かな? まあそれはさておき、新しい部屋ってどんな感じなんだろう。


「あっ!」


 僕の右手元にあるボタン、これベット上げたり下げたり出来るやつ! ちょっとやってみよ。まず下げて、上げる。


「おー!」


 寝起きじゃこの感覚分からなかったからちょっと楽しい!


「奏汰さん」


 名前を呼ばれた瞬間、反射的に看護師さんのいると思われる方向へ顔を向ける。


「行きますよ?」

「......はい」


 見られていたのか恥ずかしい!


「気になるよねー。ボタンがあったら押したくなっちゃうよね〜」


「あ......すいません」

「いいのよ全然!」


 流れるように看護師さんに支えられ、車椅子に乗り、動かしてもらった。


「今いた部屋の2個先の部屋です。ちなみに今から行く部屋を右に曲がってちょっとしたらエレベーターがあるので下の売店にすぐ行けます」


「売店なんかあるんですね」


 そんなこんなで緊張しつつも看護師さんと話しながら、すぐそこにある個室まで車椅子を動かす。


「......ここです新しいお部屋。病院内の案内はまたお昼ご飯を食べてからということで、まずは入りましょうか」


「はい」



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 あとがきです。


 果物の中でいちごが好きという方は個人的に結構いるんじゃないかなと勝手に思っています。

 スーパーなどでもお手頃価格で売ってる時ありますしね。


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