第壱〇話 アルファ
「これより第三部隊作戦行動に移る。予定通り二手に分かれαの誘導と雑魚の処理を開始せよ」
上官である私は与えられたチーム、僚機に命令を下しレディのスラスターを全開にする。重力の中を巨体が10mは跳躍できるほどのパワーを持ったスラスターで市街地の上空から索敵を始めた。
だが、目標をみつけることはそう難しいことではなかった。
ダナの搭載されたヘルメットがレディの双眸と連動し彼女の見ている景色が内側のバイザーに投影される。すると市街地の奥で一本の光線が天空を切り裂いた。同時に地上では火球がいくつも発生し、小規模な核爆発が発生している。
意外にもその閃光は虚しかった。
「チィ……!好き勝手やって土地を死なせて!」
レディの速度は彼女の怒りに呼応するよう加速し始め、人が住めなくなったあの日からそこに放置された主なき車たちはスラスターによって次々になぎ倒され横転する。街が壊れることを躊躇していれば余計な死人が増えるだけだと覚悟し、誰かの思い出の土地に土足で踏み入る怪物に対し人類怒りの攻撃が始まった。
開始の合図はレディのバルカンだ。手首に内蔵されたバルカン砲が現れると空の薬莢をまき散らしながら目標に向けて乱射する。未だその全貌を確認していない敵であるが自分の機体よりも大きいことは確かだった。
スラスターによって急速接近をおこなった穂乃果はこのとき冷静さを取り戻し、唯一の操縦である銃器のトリガーから手を離し脚部とテールスカートのスラスターを点火し減速する。もし、このとき減速ができていなかったら彼女は死んでいたことだろう。
「装甲が硬い……?バルカンじゃあ無傷ね」
冷静になったことで見えないものが彼女には見えていた。手ごたえがなかったことから目標の装甲の硬さを計算し主要武器をマルチミサイルに変更する。
彼女の巻き上げた砂埃も収まったころようやく目標の姿を捉えることができた。
馬のような下半身に人間と似た胴体、空想上の生物とされるケンタウロスの姿がそこにはあった。武器は槍で純白の全身には似合わない紫色だ。
「各機武器の変更……豆鉄砲は通用しない」
続々と集結するモアに囲まれるがソレを観察するだけのソイツはハッキリ言って生き物だった。狩猟動物が目を凝らし一匹一匹の位置を確認するようにケンタウロスは私たちを見渡している。
コイツは光線を持っていた……あの火球はモアの持つ核融合炉の光、おかげで土地は死にここは汚染されている。本当に人の住めない土地になってしまった。
『中尉、ヤツは光線を放つ……』
「ええ集合するのは非常にマズい」
だが、先陣を誰かが切らねば敵の動きを知ることができない。
兵器として何を持つか未知数な敵を前に集結してしまったのは悪手だった……!彼女は自らを叱責し次の案を頭の中で構成する。しかし、彼女に考える時間を仲間も敵も与えなかった。
一通りの確認を終えたのかαは穂乃果の乗る新型ではなく足の遅いモアを先に狙い始めた。あの時の光線を使うほどのことでもないのか、αは槍による狩りを楽しみ始めたのだ。
槍を一機のモアに投げつける。当然人間の想像する投擲の速度を遥かに超え、人間をそのまま大きくした上半身が投げた槍はビルの上から狙うモアを貫く。
一瞬の出来事だった。貫かれたモアに乗っていたパイロットは自分が死んだことも理解することなく爆発に飲まれたのだ。
一瞬で人は死ぬ。そんなことを覚悟してここまで来た人間であっても実際にソレを目の当たりにしてしまえば動揺もする。その瞬間はそれぞれパイロット一人一人の性格が現れ冷静さを欠いた者の動きはαにも理解できた。
「落ち着け!目標から視線を外すな!」
そんな彼女の言葉も聞こえていたパイロットはどのくらいだろうか?奇声を発しながら意味もなく乱射する者や撤退する者など陣形がバラけたことでαは脳内のコンピューターで優先順位をつけた。
新型よりも脆く足の遅いヤツ、中でも判断力のないのがいい。
殺戮、蹂躙、虐殺、と言葉を並べるもこの状況を上手く表せる表現が見つからなかった。
「調子に乗りやがって!」
やられていく部下の無念を晴らすため私は雄たけびをあげた。
レディに装備された近接用ヒートナイフで馬のような足を切り裂き、できた小さな亀裂にバルカンをぶち込み乱射する。ヤツは足の一本を破壊されたことが許せなかったらしく優先順位が変わった。
へえ……怪物にも、機械にも感情はあるのか。いや、あるか……アイツの相棒がそうじゃない。
私はここにきてアイツの相棒がこの怪物と同じく怒りを露にするところを見たことを思い出した。だから笑ってしまった。
私はコイツの足止めをして部下が部隊を再編し再び攻撃を仕掛ける……だが、どれだけの者が再編後の攻撃に加わるだろうか。モアじゃ勝てないことを目の当たりにし、新型であってもこの様なら敗北を認めてもおかしくない。
レディの脚部がヤツの攻撃によって破壊された。その瞬間、脳内に迸る激痛。
動けなくなったことを知り、死を悟る。
「…………ねえ星那聞こえる?」
『どうした?』
なぜ私は彼に回線をつなげたのだろうか……ダナが繋がっていれば多少の電波妨害の中でも通信ができることで迷わず彼を選んでいた。だが、何を言うかは決めていなかった。
この状況をアイツなら打破できると思ったからなのだろうか。
逃げ惑う部下を守るため弾幕やヒートナイフを使い怪物を相手にしている状況でアイツの声を聞いた瞬間、私は助かると思ってしまっていた。
根拠はないが安心感があった。アイツならこの状況をひっくり返す策を持っている、だから何か教えてくれたら、私がその通りに動いたら生き延びることができると思ったのだ。
「アンタは今、何を見てる?」
私は今、怪物の口内をレディのカメラ越しに見ている。抵抗虚しく足を破壊されたレディでは撤退することもこれ以上戦うこともできなかった。
怪物は機械というより生き物だった……オイルとも唾液とも言えぬ液体が潤滑油となり喉で滑らかに回転する回転刃が見えている。生前最後に見る景色がこれだと思うと私の前世はよっぽど徳を積んでいなかったのだと思う。
『すべてを見ているさ……戦局ってやつ』
「じゃあ、私がどんな状況かもわかってるってこと?」
『そうだとしたらどうして欲しい?』
「…………こんなことあんまり言いたくないんだけど……助けて欲しい。私はまだ死にたくないみたいなの」
自然と出た言葉、こんな命乞いを戦う人間が言っていいのか……人を助ける人間が助けを求めるなんて笑える話だった。そう、私は笑いたかった。
だが、アイツは違う。私とは違った。
「わかった。今助けるよ」
そのときだった。金属と金属がぶつかり合う重厚な音、すべてがスローモーションに変わったあの瞬間。
目の前にあったαの生物的顔面にめり込むあの太陽光に照らされた漆黒の拳。
αの巨体は宙に浮かび人が居なくなり時間の止まったビルや道路を破壊しながらやがて動きを止めた。
『間に合ってよかったよ……さて、この無線が聞こえる各機に伝達。これよりαの誘導は僕が行う。戦える者は僕に構わず雑魚をM/Wが動かせる者は破壊されたM/Wの回収を急げ』
ずんぐりむっくりな漆黒のボディがやけに頼もしかった。背中のヒレのようなスラスターが火を噴きαに突進を開始する。
なぜ彼がここまで来られたのか、それは遡ること数時間前のことであった。
「ユナくん……アマテラスの操作はわかったかい?」
「ええ、私が居なくても勝手に機械がやってくれる……私は所詮引き金を引く道具」
「だからキミは最終調整なの!意味がない人間を乗せる意味がどこにある!?」
「ですが、機械に任せていれば私より確実ですよね」
「キミは本気でそう思っているのか……!?」
「そう思っています」
星那は頭を抱えた。初めて自分の論理がまかり通らない女性を目の前にし、苛立ちとは違った複雑な感情を抱く。
自分に自信を持たせたいわけでも、できたからと言って何か起こるわけでもない。だが、現在の彼女を認めてしまっては自分の信念に反するとプライドが彼女を拒んでいた。人間的で幾分か素直な穂乃果の方が彼にとっては使いやすかった。
まるで人形だ……人形を演じる人間は初めて見た。
ソレは嫌悪感からくる拒否反応。
「なあ、信じさせてくれ……キミがこの大事な一撃を任せられると」
「貴方は自分の作った物を信じてください。私は命令通り引き金を引くだけです……」
残念ながら星那は彼女の言葉を信じることはできなかった。
今すぐに彼女を下ろし次に成績の高い人間を使用する。星那はそう決意しその場を離れることにした。
そのためには彼女以上に梃子でも動かない夏樹を説得する必要があったが算段はある。しかし、再び管制室に足を踏み入れるとα討伐に向かった部隊の損耗が激しいことでオペレーターたちは怒鳴り合うほどの取り乱しようだった。
オペレーターの連携が崩れた瞬間、現場は混乱する。彼ら彼女らが思っているほど融通が利かないのが戦場だ。
けれども彼女は違った。視線をオペレーターからその責任者である夏樹の方へ向けると彼女はこの状況で表情一つ変えずすべての情報を取り込んでいる。声を発せばこの場の空気は謎の安心感から落ち着きを取り戻すだろうが、彼女は敢えて何も言わず戦況を見極めていた。
それに僕が来ることを予測していた。
「あら、最終調整に移るんじゃなくて?」
「キミは知っていたんだな。だから彼女を使う」
「何のことか」
「僕は彼女を使うことやっぱり認められないよ。それが彼女のためになる」
「しかし、今頃変更はできない。この状況を見れば貴方も理解できるはず、戦況は芳しくない……モアも既に15機。αだけでなく雑魚にもやられてしまっている状況」
「誘導さえすればいい。そして彼女以外に引き金を引かせ……!」
このとき僕は彼女の理論を無意識のうちに肯定してしまったことでソレに続く言葉が喉を通らなかった。
所詮僕にとっても彼女は引き金を引くだけの道具であった……だから、彼女以外でも変わらない。
「不測の事態はいつだってあるものです。実際、今の討伐作戦も上手くいっていない」
「ああ、そうか……そういうことなのか。キミたちの考え……わかった僕が受けるよ」
「そうですか……手首のソレは一時解除しますよ」
「…………」
「どうかしましたか?彼女と何を話したか知りませんが、彼女の方が真に迫っているといった様子ですね」
「僕は負けず嫌いだ……やっぱりさっきの話はなかったことにする。迷惑をかけた」
僕はそれ以上なにも言わず部屋を後にした。
「キミは命令通り引き金を引け。キミはそこに居た……ただ都合のいいパイロットでしかない」
「どんな心境の変化があったのですか。私に意味を持たせようとしたり、無理をしたり」
「僕は子供なんだよ」
僕は彼女の座るシートの陰となる部分、アマテラスのプログラムを管理するパネルを操作し全権彼女に委ねることにした。
『照準、操作権をパイロットに移行します』
「貴方、自分が思っている以上に子供なんですね」
「人形が人の言葉をしゃべるか……」
「私を知ったのね」
「キミは僕を知っているのか?」
「貴方から嫌悪を感じる」
「ソレを感じてキミは何と言う」
彼女は何も言わなかった。
「僕はキミに命令をしない……だからキミは上からの命令通り道具になれ。だが、最終判断はキミに委ねる」
「その姿勢を貫くんですね」
「分からず屋同士言葉で相手を丸め込むことができないとわかるはずだ」
「ええ」
「そして誘導は僕がする……気に食わないなら僕も一緒に撃てばいい」
「それが目的?」
「ああ、そうだ」
星那は自分のトレードマークである白衣を脱ぎながらD2が格納される作業場に向かった。
作業場に現れた主の姿を見てD2は何も言わずコックピットハッチを解放する。ハッチが開いたことでD2を整備していたメカニックマンたちは彼の存在に気が付くが、彼がパイロットスーツを身につけていることから誰も彼に質問することはなかった。
星那が搭乗したD2は滑らかな動きで出雲内に設置されているカタパルトに足を固定しブースターエンジンとスラスターそれぞれの火を入れる。
メカニックマンのカウントが始まるとコックピットの中で星那は深く深呼吸をおこなう。肺一杯に取り込んだ酸素が全身の血液と混ざりあい循環していることがわかる。
心地よかった。
「誘導、設置完了。いつでも!」
「出撃よーし!」
メカニックマンがすべての準備を行ってくれたことに感謝してもう一度深呼吸をする。
「D2出る!」
そして彼は助けを求められた。
生を諦めきれない彼女の声は彼の脳内に直接響く。
ゆっくりと起き上がるαを前にしてD2のハッチは開かれトレードマークの漆黒のヘルメットが姿を現した。注意深くαを観察する。
「…………僕の知っているヤツとは違うようだな。アレはガリアンの人馬兵か?」
『独自の進化をしたのでしょう。前回の戦闘では途中姿が変わっていましたし……ここでの戦闘はあの姿が適切なのかと』
「そうか……進化ってやつだな」
ヘルメットに入り込んでくる音声が雑音に邪魔される原因がαの背中に取り付けられたアンテナによるものだと仮定し怪物に合った戦い方をシミュレーションする。脳内のシミュレーションの結果は五分五分であったが、出雲で用意した秘密兵器を使用すれば結果はひっくり返る。そのためにも合図を送るには電波妨害は邪魔だった。
最初に壊すのはアンテナ……か。
おもむろにコックピットから携帯型地対ミサイルを取り出し担ぐとPSスーツのワイヤーで地上に降下する。
「タイマンで勝てる?」
『勝率は68%です』
「まあまあだな……」
『私はマスターを信じていますよ』
「僕に合わせるんだ。できるかは確認しないやるんだ」
『もちろん』
巨石のような拳を合わせやる気を見せた相棒を信じ現在は使われていない廃ビルの中に潜入する。PSスーツには様々な機能を搭載している、おかげで走るだけでただでさえヘルメットによって呼吸がしづらいというのに息切れしてしまう。特に80mワイヤーが収納されているスーツのバックパックだけで14㎏程度の重量はあった。
携帯型ミサイルの弾も予備を持っていれば余計階段を上るのはしんどい。
だが、そんな僕を置いてビルの外では激しい戦闘がおこなわれていた。鋼鉄の体がぶつかり合う度に揺れるビルの強度は信頼できるものではなかったが、僕は相棒を信じているため彼が僕への影響を減らし戦っていることは確認しなくてもわかる。
そして重りを持って登り切った先ではαと相棒の戦闘が確認できた。予想通り相棒は僕のいるビルを避けるように自分より頭一つ大きい怪物を相手にしている。
健気な友人の頑張りに応えるため弾を装填したミサイルを構えると割れた窓ガラスから体を投げ出し飛び降りた。すかさず左腕のワイヤーをαに向け射出すると下半身の細かい亀裂に引っかかりワイヤーを巻く。
ワイヤーを巻くスーツからは不安になる悲鳴が聞こえていたが構わずバランスを取りながらヤツの腹の下まで潜り込む、と同時にミサイルが一発装甲の薄い脚部の関節に着弾した。
小型であっても威力は驚異的で設計上曲がる為に薄くなっていた関節を破壊することは簡単だ。
体に引っかかっていたワイヤーを外し僕の体は勢いそのまま向かい側のオフィスビル7階へと投げ飛ばされ既にガラスを失った窓から中に入った。
全身を床や壁、放置された机に打ちつけスーツが衝撃を吸収していなかったら重傷は免れていなかっただろう。だが、痛みは感じる。
「二撃目だ。ヤツを固定しろ」
すぐさま起き上がり本命のアンテナを狙うため準備をする。D2は彼の指示通り脚部関節を破壊されよろけたαに突進し動きを止めた。
パワーは互角であっても体格差のある分D2の方が不利であった、関節が悲鳴をあげるように軋み踏ん張る足元ではアスファルトが砕ける。
今までにない蒸気の排出が背中の排出口から吐き出され無理をしているようにも見える、しかし僕の相棒はそう簡単に負けるほどヤワではない。僕がコックピットで操縦しないときは自動的に僕のダナとAIが連結しHCmデバイスと同じ要領で行動する。彼の限界は僕にもわかっていた。
「準備完了だ!こっちにソイツを連れてこい!」
それを合図に腕の格納されたスラスターを展開し速度とパワーをさらに上げて一歩ずつ確実にこちらにαの巨体を押し返す。彼のスラスターとブースターのパワーはマックスで老朽化の進む背後の建物は根元から崩れながらバラバラになって飛散していた。
雄叫びをあげながら堪えるαであったが関節の分裂によって上手く踏ん張り切れずD2に力負けし星那の待つビルの隣に押し付けられる。
「踏ん張れ相棒!」
僕はαの背中に飛び降り適当な位置にワイヤーを固定すると二発目のミサイルを電波妨害の原因となるアンテナに向け構えた。
足元が悪く狙いが定まらなかったがそこは集中力で補い全長20mのαに取り付けられた3mのアンテナに照準が重なった刹那、そこには静寂が生まれる。手元に伝わる振動と共に小型のミサイルが放たれその尾を引く炎は静寂の空間を切り裂いた。
ワイヤーのおかげで投げ飛ばされなかった僕の体だが背中から倒れるもアンテナに着弾するその瞬間、閃光によって目標の破壊を確認する。
αはアンテナが破壊された瞬間悲鳴をあげ、痛みを感じているのか悶えたようにも見える。ワイヤーで固定されているが振り回される上下左右の振動を堪えヤツの観察をおこなう。
爆炎と共に赤黒い液体が細かな粒子となり巻き上がると真下に居た僕はソレを全身に浴びた。熱と鼻を刺激する臭気を感じる液体はやはり機械の燃料とは違う
「違うのか……」
ただのエイリアンではない。兼城のAIもパーツも使用されていない純粋な生物、ヤツらはどこで手に入れたのか神の力を使用して地球に攻め入るつもりだったのだ。
「夏樹くん今忙しいかな?」
『貴方ほどではありませんよ。しかし、まあ……ハチャメチャな戦い方をしますね。M/Wから降りて戦闘だなんて、自殺願望があると言われても疑わない』
「皮肉はいい……僕らがαだと思っていたエイリアンの格上げをおこない今すぐ各国に警告をするんだ」
『と、言いますと?』
「ヤツは神使だったんだよ。どうやら月は神使を利用できるほどには余裕ができたようだ。宇宙で拾ったのを実験として地球に落としているだけでなければね」
『彼らに神使を操るほどの技術はないと考えれば偉い方々は冷静さを保てますよ』
「それじゃあ地球人類に明後日が来ない」
『明日は来るんですね』
少々楽観的ではあるが焦って官僚や政治家によって余計なことをされても仕方ない、だから彼女の言う通り月には技術がまだないと考えても良さそうだ。
現にヤツは暴走状態、初めての土地に動揺しているようにも見える。
「どうする……サンプルにするかい?」
『できるんですか』
「いや、アマテラスの威力を試したいから焼却する。だが、キミ次第だよ」
『人任せね』
「面白いレースになったじゃあないか……」
『そうですね……アマテラスを準備させます。楽しませてもらいますよ』
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