85日目 コマさんの頭の上に猫



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。



 ぺぺがコマさん達の所へ行くと、右側ののコマさんの頭の上に猫がだらんと乗って寝ていた。


 珍しいこともあるもんだとぺぺが見ていると、


「ぺぺ、よいところにきた」


 と頭に猫を乗せているのコマさんが言った。


「ぺぺすまぬが、この猫をどかしてくれ。邪魔でしょうがない」


 さも嫌そうだ。


「どうもの頭の上が日があたって温かいみたいで、最近昼寝の場所にしているみたいなんだよねー」


 うんのコマさんが苦笑しながら説明してくれた。


 これは助けてあげなければと思うが、どうすればいいか分からない。


「わかった! でもどうすればいいの?」

「ただ猫の目の前を飛んでくれればいいぞ」


 ただそれだけかと、ぺぺが猫の前まで行くと、


「!」


 猫はぺぺを見るなりぺぺ目がけて飛び着いてきた。


「ええええ!」


 ぺぺは間一髪で猫から逃れると、一目散で逃げていった。それを猫が追いかける。


「ふう。これで当分は大丈夫だな」


 コマさん達は何事もなかったように仕事に専念するのだった。


 ぺぺと言えば、長い時間猫に追いかけられたのでした。










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