76日目 狐の神様は忙しい
妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。
妖精なので、ほとんどの人間には見えない。
ぺぺが稲荷神社の神様の所に行くと、神様が珍しく仕事をしていた。
「狐の神様ー。暇じゃないんだね」
「うむ。最近忙しいのじゃ」
「なんでー?」
「商売繁盛かのう?」
「しょうばいはんじょう?」
「うむ。仕事の依頼がないので仕事の依頼が入ってくるようにと願われたから、仕事が入るようにしたのじゃ。そしたら、それが口コミで広がったみたいでのう」
と嬉しそうに狐の神様は話ながら、眷属の子狐に仕事の指示を出している。
そんな狐の神様と眷属の子狐達は、前よりも毛並みがツヤツヤして良い感じだ。
ぺぺは嬉しくなった。
信仰が増えれば、それだけ狐の神達の力が強くなり、毛並みも艶やかになるらしい。
「狐の神様ー。ぼくもお手伝いするー。何すればいい?」
と言うと、間髪入れずに、
「大丈夫。手伝わなくていい」
と狐の神様と眷属の子狐に断られた。
「えー! でも忙しいでしょ?」
「大丈夫だ」
「ぺぺは見てるだけでいいから! 手を出すんじゃない!」
と狐の神と眷属の子狐達に声を大にして言い、念を押される始末。
「ぶー!」
ぺぺは拗ねるのだった。
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