77日目 インコの敵



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。



 いつものように参拝者を見ていたぺぺは、一人の女性が気になった。

 何か女性の肩に乗っているのだ。


「?」


 よく見ると、インコの霊だ。


「女性が飼っていたインコだな。守っているのだな」


 と、コマさん達が言う。


 亡くなってもご主人の女性について守っているんだとぺぺは感動していると、


「!」


 インコの霊がぺぺを見た。


 その目がどう見ても、敵と認識している目だ。


 嫌な予感しかしない。


「ピピピイー!」


 いきなり起こった声を上げながらすごい形相でぺぺに向かって飛んでくると、くちばしでぺぺを突き始めた。


「な、なんでー! い、痛い!」


 ぺぺとインコの追いかけっこが始まったのだった。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る