75日目 視え方で違う



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。



 ぺぺが飛んでいると、女性二人が何やら小さな神様を見ながら話している。

 何を話しているのか聞いて見ると、


「ここの神様は、青い服を着ているね」

「そうね。烏帽子もかぶっていて背も普通だね」


 それを聞いたぺぺは、神様に言った。


「神様ー。女性の人達、小さな神様を神様だと思っているよー。違うのにね」


 すると神様は笑いながら言う。


「人によってえるアンテナが違うからのう。仕方ないことじゃ。それにどう思おうがわしは気にしないからいいぞ」


 それに補足するように小さな神様も言う。


「神様は波動が高いからな。まあ神様本人がえないようにしていることもあるし、その者の守護の者がまだ早いと眷属をせる場合もあるのだ。だからる力が弱い者は誰が神様か分からないため、こういうことが起こるのだ。分かったかぺぺ」


 そこでぺぺがある疑問を言う。


「でも小さな神様は、背が普通じゃないよ」

「!」

「とっても小さいのに無理して大きく見せてるんでしょ。それは駄目だよねー神様」


 神様は、あははと笑っている。


「小さな神様は、チビなんだから、そのままの姿見せないとだめだよねー」

「…………」

「チビなんだからさー」

「これ、ぺぺ。いじめてはいけないよ」


 神様がぺぺに注意するのと、小さな神様が拳をにぎりながらぺぺを追いかけるのが同時だった。


「言わせておけばー! ぺぺー! お前も小さいだろう!」


 いつものように追いかけっこが始まったのだった。

 それを見た女性達は、


「なんか神様、走ってない?」

「うん。何してるんだろう?」


 と首を傾げるのだった。






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