72日目 落ち葉にジャンプ



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。



 朝、住職さんが神社の落ち葉を竹箒で掃除していた。


 それをぺぺ達、妖精達はわくわくしながら見ている。


 何故かというと、その集めた落ち葉に飛び込んで遊ぶのが毎年恒例なのだ。


 ただその遊ぶ時間が限られている。


 住職さんが落ち葉を各所に集めて、最後の一斉にゴミ袋に詰め込むまでの時間だ。


「よし! 今だ!」


 妖精達は、住職さんが違う場所の落ち葉を集めに移動したのを狙って山になった落ち葉にジャンプした。


「ふかふかー! 気持ちいいねー!」


 みんな楽しんでいる。ぺぺも同じように、


「僕もー!」


 と言って飛び込んだら、


 ゴン!


 落ち葉の下に石があったようだ。たまにあるのだ。


「あはは! ぺぺはずれー!」


「今日はぺぺがはずれだから、鬼ごっこの鬼はぺぺねー!」


 落ち葉で遊んだ後は、鬼ごっこをするのも恒例だ。


 そしていつもぺぺが石にぶつかって頭にたんこぶを作って鬼をするのも毎年の恒例でもあった。


「なんでいつも僕なんだよー!」


 そう言いながら鬼をするぺぺを見ながら、コマさん達は思う。


 ぺぺだけが石が落ち葉の下にあるかないか確認しないからだと。




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