68日目 コマさんの落ち葉



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。



 最近かなり寒くなってきた。


 ぺぺはコマさん達の所へ行くと、せっせとのコマさんの体だけに落ち葉を置いて行く。


 最初は何が始まったのかと思って見ていたコマさん達だが、だんだんとのコマさんの体が落ち葉で埋もれていくではないか。


「ぺぺ。これはどんな遊びだ?」


 嫌な予感がしたのコマさんがぺぺに聞いた。


「寒くなったからコマさん達を温かくしているの」


 応えながらも落ち葉をどんどんと運ぶ。


「心配してくれるのは嬉しいが、もういいぞ」


 顔だけ出ている状態ののコマさんが言うが、ぺぺはまったく止めようとしない。


「遠慮しないでー。温かいでしょー」


 と言って今度は大量の落ち葉を持ちながらのコマさんへと向かってきた。


「ぺぺ。まさかと思うが、それを頭からかけるんじゃないだろうな?」

「うん。そうだよ」


 と言ってのコマさんの頭へと上昇しようとしたら、


 ドサ!


 バランスを崩してぺぺは頭から落ち葉をかぶり、埋もれた。


 コマさん達は、ぺぺには悪いがほっとしたのだった。





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