66日目 太郎のくしゃみで



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。



 夏も終わり朝晩が寒くなってきた。


 寒さをしのぐため、老犬の太郎のふかふかの毛の中で夜は眠ることにした。


 やはり太郎のところは暖かくていいが、1つ気をつけなくてはならない。


 それは、太郎の寝返りだ。


 1度立ってまた体勢を整えて座り直すのが太郎の日課なのだ。


 だからその時だけはぺぺは離れて、潰されないようにするのだ。


 ぺぺは今回も潰されずにすんだと安堵し、また眠ろうとしたら、


 クッシュ!


 太郎がぺぺに向かってくしゃみをした。


 案の定ベタベタになったぺぺだった。


 これからは、顔の近くで寝るのはやめようと思ったぺぺだった。




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