63日目 どっちが丸い



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。



 夏も終わり、涼しくなってきた。


 夏の花の妖精も地に帰り、秋の花の妖精が産まれていた。


 産まれたばかりの花の妖精達は元気だ。


 毎回ぺぺを見つけると、目を輝かせ、


「ねえ。あなた何の妖精?」

「ねえ。あなただれ?」

「ねえ。あなたは本当に花の妖精?」


 と質問攻めにあうのだが、必ず毎回最後に言われることがある。


「あなた絶対、花の妖精じゃないわね。花の妖精はそんなに丸くまいもの!」


 そりゃあちょっと丸いかもしれない。


 だからといって丸い体型がなぜ悪い。


 といつも、最後はプンプン拗ねているぺぺだった。


 だが、最近ぺぺも最後はある言葉を言い返す。


「小さい神様のが丸いもん!」


 するとやはり、小さい神様がぺぺを追いかけるのだった。


「待てい! ぺぺ! わしは、丸くないぞー!」


 今日も追いかけっこがずっと続いたのだった。




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