59日目 射的屋さん



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。



 今日は休日のため、神社の入り口に屋台が出ていた。


 ぺぺは屋台が出る日が楽しみで仕方がない。


 色々な屋台の中でぺぺが好きなのは、射的屋さんだ。


 いろいろなおもちゃやお菓子の景品が並ぶのを見ても楽しいし、誰かが頑張って当てようとしているのを応援するのも楽しいのだ。


 今日も何人かの子ども達が射的をやっていた。


 それをぺぺは嬉しそうに景品の横で見ていた。


「あー。おしい」


「当たったのに倒れないー!」


 一緒になってぺぺも叫んでいた。


 すると玉が一発、大きく外れ壁に当たり、跳ね返りがぺぺの後頭部に見事に命中した。


 プラスチックの玉は、当たるとけっこう痛い。


 ぺぺはヒラヒラと落ち、景品にぶつかった。するとお菓子にあたり倒れる。


「カランカラン!」


 お店の人が当たりの鐘を鳴らした。


「おめでとう! はいお菓子ねー」


「やったー!」


 子どもはとても喜んでいた。


 痛かったがまあいいかとぺぺは後頭部のたんこぶをなでるのだった。




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