50日目 魔が差す
妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。
妖精なので、ほとんどの人間には見えない。
ぺぺが本殿に行くと、小さい神様が神様の代わりに参拝者の願いを聞いていた。
参拝者の願いは、厄払いだった。
ぺぺは小さな神様に尋ねる。
「小さな神様ー。厄払いって何するの?」
「魔にはまらないようにとか、低級霊に取り憑かれないように等、運気が下がらないようにしたりかな」
「魔にはまるって?」
「いきなりその場所に悪い気が出来るというか、良くない穴が出来るというか、そこにはまると事故を起こしたり、怪我をしたりなど、良くないことが起こるのじゃ。よく人間が言ってるじゃろ。『魔が差す』と。それはここからきとるんじゃよ」
「ふーん。ぺぺ見たことないよ」
「当たり前じゃ。神様のいる神社に出来るわけなかろう」
そういうものかとぺぺは思っていると、小さな神様の上を蚊が飛んで来た。
「あ!」
ぺぺは、ペシっとしたら、ちいさな神様の頭に当たった。
「!」
「あ!」
小さな神様がぺぺを睨む。
ぺぺは威張って言う。
「魔が差したの」
「だから魔は神社にはおらんと言っておるだろうー!」
また追いかけっこが始まったのだった。
それを見た神様は、
「修行がたりんのう」
と眉を潜めるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます