別日⑨ 神様の名前は後付け
妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。
妖精なので、ほとんどの人間には見えない。
ぺぺが参拝者が来るのをいつものように待っていると、団体の人達がやって来て、由緒を見ていた。
そしてガイドさんらしき人が、
「ここの神社は、
と話していた。
いつも参拝者はそう言っていて、神様のことを
ぺぺは神様を呼んだ。神様はすぐにやって来てくれた。
「神様ー。神様って『やまとたけるのみこと』なの?」
と聞くと、「違う」と言う。
「じゃあ大蛇倒したの?」
と聞くと、
これまた「違う」と言った。
「全然違うけどいいの?」
と聞くと、名前は関係ないと言う。
「わしは由緒やなんて呼ばれようと気にせぬよ。それで人間がいいというならね」
神様はまったく気にしていないようだ。
なんでそうなったのかとぺぺが聞くと、昔の人達は見える人が多かったようだ。その人達が神様と川の所にいる白蛇の神様を見て、後付けで今のような物語を作ったのだという。
「白蛇の神様も嫌じゃないのかな」
と神様に聞くと、白蛇の神様も相当位の高い神様だから何とも思ってないということだ。
ぺぺは思う。
ここの神様達は、とても優しい神様ばかりだと。
「神様、大好き」
ぺぺが言うと、神様も
「わしもぺぺが大好きじゃ」
と言って笑うのだった。
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