49日目 狐の神様は油揚げに飽きた?



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。



 ぺぺが摂社の稲荷社の近くへ行くと、お供えに油揚げが供えてあった。


「わー! 油揚げだー!」


 ぺぺは稲荷社の中を覗くと、いつものように優しい狐の神様が暇そうに寝そべっていた。


「神様ー。油揚げちょうだい!」


 ぺぺは狐の神様にお願いすると、


「ぺぺか。今日だけいいぞー」


 と気持ちよく承諾してくれた。


 いつも油揚げ食べれていいなとぺぺが食べながら言うと、


「いつも油揚げばかりだと飽きてのう」


 と、神様は苦笑いをした。


「じゃあ僕がもらってあげる」


 ぺぺが言うと、それは駄目だと言う。


「いつもあの子がお供えしてくれるからのー。ありがたくいただくのだよ」


 と油揚げを供えてくれるおばあさんを教えてくれた。


「神様、おばあさんは子どもじゃないから、あの子じゃないよ」


 ぺぺが言うと、


「わしからみたら、人間はみんな子どものようじゃ」


 と笑った。


 確かに神様達から見れば、人間は一瞬の命なのだから。


「そっかー。じゃあ僕も神様の子どもだねー」


 と油揚げを半分に割って神様に


「はい。神様、半分あげる」


 と揚げを狐の神様に渡した。


「ぺぺ。それは元々私のじゃ」


 と笑うのだった。




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