47日目 座敷わらし



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。



 ぺぺは参拝者が話していた座敷わらしが気になった。


 だから友達の妖精に聞いた。


 すると、着物を着ている子どもだと教えてくれた。


「座敷わらしは気に入った人間について行って色々助けてくれるんだよ」


 それを聞いて、ぺぺも座敷わらしと友達になりたいと思い、どこにいるか聞いた。


 すると、この神社にいるよと教えてくれた。


「座敷わらしは着物を着ているからね」


 ぺぺは言われた通り、着物を着た子どもを探す。


「あ! あれが座敷わらしだ!」


「あ! あっちが座敷わらしだ!」


 七五三で着物を着て参拝しに着ている子どもを見つけては叫んでいた。


 それを見た神様は、小さな神様に言う。


「ぺぺに本当のことを教えてあげなさい」


 仕方なく小さな神様がぺぺの所へ行くと、ぺぺが小さな神様を指さして叫んだ。


「あ! これが座敷わらしだ!」


「むむむ!」


 小さな神様のこめかみに血管が浮き出る。


 小さくて着物を着ているので、一応見えなくもないが…………。


 近くにいた神様は苦笑する。


「ぺぺ。地雷ふんだね」


 そしてぺぺと小さな神様の追いかけっこが始まったのだった。


「誰が座敷わらしだー!」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る