44日目 弟は見えるのね
妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。
妖精なので、ほとんどの人間には見えない。
ぺぺがいつものように参拝者を見ていると、親子連れがやって来た。
お父さん、お母さん、4歳のお兄ちゃん、2歳の弟だ。
1年前ぐらいに来た以来だ。
ぺぺは嬉しくなり、
「久しぶり-」
とお兄ちゃんの周りを飛ぶ。
お兄ちゃんは去年来た時、ぺぺに気付いてくれたのだ。
だから今回も気付いてくれるだろうと近くを飛ぶ。
でも今回は、気付いてくれなかった。
成長したから視えなくなったのなのだろう。
ぺぺは残念に思うが、よくあることだ。
そう思っていたら、
バチン!
両手で潰された。
ヒラヒラと落ちながら見ると、弟と目が合った。
そんな弟は、
「虫さんーいたー!」
と叫んでいる。
――ああ。弟は見えるのねー。
嬉しいけど、痛いと思うぺぺであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます