43日目 神様の変身



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。



 ぺぺは、見える参拝者の会話を聞きながら不思議に思う。


「神様ー。なんでみんな神様の見え方が違うの?」


 人それぞれ神様の見え方が違うようなのだ。


 誰1人、ぺぺが見ている神様の姿をしていないのだ。


 そんなぺぺに神様は笑いながら言う。


「わしは形がないからのー。だから人それぞれに思った姿に見えておるのじゃよ。ぺぺもわしをそう思って見ているからこの姿なのじゃよ」


「ふーん」


「だから、ほれ。こんな姿にもなれるぞ」


 と言って、女の人の姿になった。


「おお! じゃあぺぺにもなれるの?」


「うむ」


 神様はぺぺの姿になった。


「ひゃー! 神様! これからぺぺの姿にしてー!」


 目をキラキラさせながらぺぺは言う。


「…………」


 神様は無言で今までの姿に戻った。


 ぺぺは、「え?」と目を点にする。


「ぺぺの姿だと、どうも有り難みがなく見えるのでのう」


 と言って帰って行ってしまった。


 残されたぺぺは、


「どういう意味?」


 と首を傾げるのだった。



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