37日目 やっぱりコマさんは写真が好き
妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。
妖精なので、ほとんどの人間には見えない。
ぺぺが狛犬のコマさんの所へ行くと、
どうしたのか聞くと、頭に落ち葉が落ちてきて、せっかくの顔が葉っぱで少し隠され見えないのが気に入らないのだと言う。
「ぺぺ。取ってくれ」
と言うので、取ってあげようとしたら、参拝に来た女の子2人が、
「見て! こっちの狛犬、葉っぱが乗ってかっこいい!」
と言いながら写真を撮り始めたのだ。
すると、今まで嫌な顔をしていた阿のコマさんが、
「そうか?」
と、まんざらでもない感じでポーズを取り始めたのだ。
「だから、ポーズ取っても変わらないって」
と突っ込みながら葉っぱを取ろうとしたら、
「取るなぺぺ。今写真を撮っておるではないか」
とコマさんは言い始めた。
相変わらず写真が好きなコマさんである。
ぺぺは、にぃっと笑うと、落ち葉をかき集め、コマさんの頭にどばっと置いた。
そして逃げた。
後ろから、
「こらー! ぺぺー! 葉っぱどけろー!」
とコマさんの声が響くのだった。
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