34日目 葉っぱの妖怪に間違えられる



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。



 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。




 ぺぺが他の妖精と葉っぱをいっぱいかぶって遊んでいると、女性の参拝客2人がやってきた。


 その1人は、霊感が強かった。



 ぺぺは嬉しくなって女性の近くに行くと、女性はもう一人の女性と話していた。


「なんかたくさんの笑い声が聞こえる」


 そりゃそうだ。妖精や精霊がいっぱい楽しく遊んでいるのだ。


 すると女性は言う。


「もしかして幽霊かな?」

「えええ! やめてよ~!」


 ぺぺは言う。

 

「神様がいるから幽霊入れないよ」


 でもぺぺの声は女性にはうまく伝わらない。


 女性はふと後ろを振り向く。


 そこには、ぺぺが葉っぱをかぶって飛んでいた。


「!」


 どうも女性は、振り向いた瞬間に見えたようだ。


「ぎゃー! 葉っぱの妖怪ー!」


 そう言って走り去っていったのだった。


 ぺぺはむくれる。


「ぜんぜん妖怪じゃないもん。妖精だもん」


 他の妖精はそんなぺぺを見て言う。


「あの格好じゃ説得力ないよね」

「うんうん。怪しい妖怪にしか見えないねー」


 そしてゲラゲラ笑うのだった。



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