28日目 龍神さんを呼びすぎるな



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。



 ぺぺのいる神社の神様は、この山の奥に見えるお山の神様だ。


 あまり神様を用事もないのに呼ぶと眷属の龍神さんが怒るので、最近は龍神さんを呼ぶことにした。


「龍神さん、神様に、暇かきいてー!」

「龍神さん、神様に、好きな花は何が好きかきいてー!」

「龍神さん、神様元気?」

「龍神さん、神様今なにしてるの?」


 など、色々と聞いては、龍神さんはぺぺの質問を神様に届けてくれていたが、

 だんだんと龍神さんの態度が冷たくなり、そして、


 バチ! ヒュー!


 無言で、ぺぺはお山の向こうに飛ばされた。


 何故怒ったのか分からないぺぺに神様は、


「ぺぺ。龍も忙しいのだよ。私に直接聞きなさい」


 と苦笑する。


 ぺぺはそこで悟る。


 結局、どちらに聞いても龍神さんに怒って飛ばされるのだと。



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