25日目 天狗のいたずら



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。



 ぺぺのいる神社は山の上にあるため、夏はよく霧がでる。


 今日も朝から霧が出て真っ白になっていた。


 すると、階段の下から誰かがやってきた。


 ぺぺは、参拝者が来たと大喜びで階段のところで待つ。


 誰が来たかなと、わくわくしていたら、



 で、ぺぺは驚きぎょっとする。



 呆然と一つ目入道を見送ると、また誰かがやって来た。



 わくわくして待っていたら、



 で、またまたぺぺはぎょっとしてその場に硬直した。



 すると、また影が現れた。


 今度は誰が上がってきたと警戒する。


 見ると、背を丸くしたおばあさんだった。


 ぺぺが安堵するのもつかの間、


 おばあさんはいきなり背をピンと伸ばし、飛び上がった。


 またまた ぺぺはぎょっとしておばあさんを見ると、


 おばあさんが、天狗になった。


 そこで、


 ああ、最初から全部が天狗のいたずらだったのだと理解した。


 天狗は笑って言う。


「楽しかったであろう」と。


 いやいや、まったく楽しくなかったと、ぺぺは心の中で文句を言うのだった。



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