24日目 どちらが勝つか



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。



 ぺぺと友達の妖精は、あることをして遊んでいた。


 神社の鳥居、階段の下にいる二人の男性が、本殿で先に神様に手を合わせたら、おやつが食べれるという遊びをすることにした。


 ぺぺは、若いお兄さんにした。


 友達の妖精は、年取ったおじいさんにした。


 ぺぺは、勝ったと思った。おじいさんは上るのが遅いのだ。


 そしてお兄さんとおじいさんの戦いが始まった。


 やはりお兄さんは一気に階段を上り始めた。それもすごい早さだ。


 ぺぺはお兄さんを応援する。


 おじいさんはゆっくりと上ってきている。すごい大差だ。


 そしてあっという間にお兄さんは上りきった。


 ぺぺはお兄さんの所に飛んで行こうとしたら、お兄さんはまた階段を降りていった。


 「え? なぜ?」


 その後、お兄さんは何往復も階段を上り下りしていた。


 その間に、おじいさんは上りきり、本殿でお参りをしてしまった。


 友達の妖精は、「やったー!」と言って、おやつを食べ始めた。


 ぺぺの応援していたお兄さんといえば、それから何往復をし、そのまま帰って行った。


 「…………」


 結局友達の妖精はおなかがいっぱいになり、その場で寝てしまい、ぺぺはおやつにありつけず泣くのだった。


 「うー! お兄さんー!」




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