14日目 キュウリの妖精



  妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


  妖精なので、ほとんどの人間には見えない。



  神社の境内には、色々なお花が咲いている。

  だから、色々な花の精霊、妖精 がいる。


  参拝にくる人の中には、妖精ぺぺ達が見える人もいる。


  見える二人の女性がやって来て冗談半分で話していた。


 「あ、あれ見て! 椿の近くにいるから 椿の妖精じゃない?」

 「本当だ! じゃあ、あの妖精は?」

 「あじさいの妖精だよ」

 「じゃあ、あの妖精は?」

 「ヒマワリの近くだから、ヒマワリの妖精じゃない?」


  そして、ぺぺを見て、


 「じゃあ、あの妖精は?」

 「あれはー……」


  ぺぺは期待する。だって後ろにはアサガオが綺麗に咲いているのだ。


 「あれは、キュウリの妖精だな」


  ぺぺは、「え?」と驚き振り向く。


  アサガオの横に、成長した キュウリ がなっていた。


 「またキュウリか」 


  と嘆く ぺぺ だった。



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