13日目 おみくじで



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。



 神社にくる参拝客は、おみくじをよく引いている。


 おみくじは、神様がその人に分かるようにアドバイスをするそうだ。


 ぺぺも引いてみたいと思った。


 特に木の箱に入った棒がでるおみくじがやってみたくてしかたがない。


 だから神様にお願いした。


 でも神様は、ぺぺには重いからやめなさいと言う。


 だから紙のおみくじを引いた。


 見たら 小吉 だった。


 よく人間は、 大吉 という字を見て喜んでいる。


 ぺぺも 大吉 がいいと神様に言う。


 すると、神様はそこは大事ではない。その中身が大事なのだと。


 その中身のピンときたところが神様が言いたいことだと。


 でもぺぺは読まなかった。


 そして、やっぱり木のおみくじが引きたいと思い、がんばって持ち上げ、下をむけ穴を覗いたら、



 グサ!



 棒がぺぺに刺さった。




 神様は言う。 


「ちゃんとおみくじの内容を見なさい」と。


 見ると、



『 願いごと ……  焦って事を成すと禍あり 』



 の文字が ピンときたぺぺだった。

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