10日目 雷より……。



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。




 今日はぺぺの大嫌いな雷が鳴り響いている。


 ぺぺは雷が大嫌いだ。


 ぺぺは怖くて神社の境内の中の丸い大きな木の上に隠れる。


 すると祈祷が始まった。


 初めて側で祈祷を聞くのは初めてだ。


 神様はみんなのお願いを全部聞いている。


 すると、神様がぺぺに言う。


「そこから離れたほうがいいぞ」


 と。



 ぺぺは 意味が分からずにいると、


 ぺぺが乗っていた丸い大きな木――大きな太鼓が ドンドン とたたかれた。


 あまりの大きな音と地響きにぺぺはびっくりし、その場に失神した。


 神様は、


「だから離れたほうがいいと言ったのだ」


 と笑った。



 ぺぺの嫌いなもののリストに、太鼓も入ったのであった。




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