9日目 キュウリ



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。




 ぺぺの他に妖精はたくさんいる。


 今はお花がたくさん咲いている季節なので、お花の妖精がたくさんいる。



 ぺぺは見たことがない妖精がいると尋ねる。


「何のお花の妖精?」と。


 すると、嬉しそうに花の妖精は、親でもある花の名前を教えてくれる。



 あるとき、花の妖精がぺぺに聞いてきた。


「あなたはどの花の妖精?」と。


 ぺぺは考える。  


 自分は何の妖精なのかと。



 分からないので、いつもきれいだなと思っていた黄色い花を指して、


 「これ」



 と言ったら、なぜか花の妖精は、皆固まり、目が点になった。



 そして言った。




「それ、キュウリ」



「……」





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