8日目 落ち葉に……。



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。




 神社には、大きな楠がそびえ立っている。


 参拝に来た人は、みんな 「ご神木」 と言っている。


 でも、ぺぺは 「楠さん」 と 呼んでいる。


 楠さんは、参拝に来た人全員に、惜しみなく「気持ちが和らぐ気」 を 降り注いでいる。


 その下にいると、何故か人間は心がほっとするようだ。


 だから、ぺぺも同じように「気」をもらいたいがために下に飛んでいくが、楠さんはぺぺには「気」を降り注いでくれない。


 わざとぺぺを避けるように楠さんは悪戯する。


 ぺぺは、ブスっとしていじけた。


 すると、楠さんはたくさんの癒やしの「気」をぺぺに降り注いでくれた。



 ぺぺは嬉しくなり笑顔になるが、「気」と一緒に大量の葉っぱもぺぺに振り注ぎ、



 ズボ!




 落ち葉に埋もれたのだった。





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