第4話 謎とは言い難い謎を解いた件について。

_街へ行く_


 マリンはまだ脚を踏み入れたことの無い、ルリーの事件の話で持ちきりになった街で両親達やその調査をしている人達を探した。

 見つけるのにそう時間はかからなかった。

ルリーの両親は料理店をしているそこには心配した人達でいっぱいになっていた。


 料理屋の前の人混みを掻き分けて、マリンは両親のとこまで駆け寄った。


 「ルリーのご両親ですよね。私はマリンと言います。ルリーについて話したいことがあります。」


 騒つく店内が一気に静けさに包まれた。

 

 「ルリーの居場所がわかるのか?」

 

 ルリーのお母さんは泣き、お父さんは少し取り乱すように言ってきた。


 「ルリーの居場所とその双子の弟さんの居場所も分かります。でもその前に話を聞いてください!」


 ルリーは今分かっている事を話し、ルリーが犯人でないこと、そして真犯人がいて、今は弟を助けるためにルリーが薬草を探しに行ってること。


 それを聞いた両親は・・・


 「それは事実なのか。」


 「はい。私が解決いたします。でもそれには皆さんの協力が必要です。」


  そうマリンは言って、皆にお願いをした。

  

  謎を解き明かすことは出来る、だが犯人は何をしてくるか分からない今の私にはそれを防ぐことが難しい、だから助けて欲しいと言うこと。


 「それで何をすればいいんだ?」


 「守ってくだい。ルリーを、犯人はルリーを狙ってます。弟が魔法が使えないと分かったらきっとルリーを狙ってきます。」


 そう皆んなに説明をし、現場に向かう事になった。


_1時間後_


 現場に行くとルリーが既に待っていた。


「ルリー!」


 マリンはルリーに駆け寄った。ルリーはたくさんいる人を少し警戒していた。


「もう大丈夫よ、みんなに事情は説明した。あとは私に任せて。」


 ルリーは薬草を渡した。

 

 「これはアルファと言う薬草よ、葉についている粉を相手に振りかけるだけて一時的に動きを止めることができるわ。私も使ったことが分からないけど恐らく5分程度。」


 「ルリーそれだけの時間があれば十分よ。」


 薬草を受け取り、みんなの顔、ルリーと相槌を打ち、マリンは犯人のいる家をノックした。


 トントントン


 いかにも、怪しい男が出てきた。

 

 「あの、探してる人がいて・・・・」

 

 そう言って、マリンは男の人を外に連れ出した。

 マリンは現世では学生の頃、演劇部だった為演技が得意だった為、あっさりその悲しげな表情と話し口調でまんまと1人男の人を外に連れ出したと、同時に皆んなに合図をし、1人捕えた。


 外の様子に異変を感じたまだ中にいる男はのこのことまた1人出てきたのだ。


 マリンはもらった!!!と言わんばかりの顔をして、助けてくださいと駆け寄り、手を合気道で動けないように技をかけた。


 まさか、おじいちゃんが小さい頃に私に教えていた事が役にたつとは・・・。

そう言って、もう1人確保した。


 さーて、あとは最後の1人ね。


 「すみませーん。お宅の2人が動けなくなってしまいまして〜!」


 マリンは斬新にも大きな声で家の中にる最後の犯人に話しかけた。


 すると、中から、最後の犯人が姿を現した。

それを見た一緒にきた街の人達は・・・・


「リブレス様」


「なんだ何だ。」

 リブレスと言う男は何も表情を変える事なく皆を見回した。


 マリンは1歩ずつリブレスに近寄り話し始めた。


 “あなたは大きな間違えをしてるわ“


  深呼吸して続けた。


 →最初の1つはその服装よ、この街では少し目立ちすぎね。

その2、冷静を装いながら目線が後ろを気にしてる。

その3、花を使ったこと

その4、捕えたその子はルリーの双子の弟

 

 すると、リブレスは慌てて家に入ろうとする。

マリンはルリーから貰った薬草を男に向かって投げつけた。



 男は動きが取れなくなりその場に倒れ込んだ。


 その5、ルリーと私に出会ってしまったことよ!


 「5分私に時間を頂戴ね、そう真相はこうよ」


 そう言って、マリンが立てた仮説を話し始めた。


★まずあなたはルリーの魔法の能力を何処からか聞きつけた、この街ではどうやら魔法を使える人は珍しいみたいだからね。

 そして魔法にはそれぞれ能力というものがあり、きっと他の魔法ではダメだった。

ルリーの薬草、花の能力が必要だった。

それは、愛する人か誰か大切な人の病気やケガを治すためね。

さっき、あなたの家の2階を見させてもらった時にベッドに人がいたわ。

 だがしかし、まさか双子とは知らなかった。

そして、ルリーではなく弟の方を連れ去ってしまった。ルリーを花で眠らせたのは誤算だったわね。鹿の血痕もバレバレよ。

 確かに大切な人を助けたい気持ちは分からなくはない、だがしかしこんなやり方で連れ去り、殺害したかのようにみせるのは許さない。

 どれだけ周りが、家族が心配したか、ルリーを傷つけたか。あなたなら分かるはずよ。★


 「これは、あなたの大切な人を治す為の薬草よ。ルリーに言ってとってきて貰ったわ」


 マリンはそう言って、薬草を渡した。


 リブレスはその場で泣き崩れた。



 “この謎とは言い難い真相は私が貰った“


そう言って、マリンは倒れ込んだのだ。



 気がつくと、ベッドの上にいてルリーが心配そうに覗いていたのだ。


続く






 


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