孤独な毎日
お兄ちゃんと喧嘩になり、私は残りの高校生活が真っ暗になった。
周りの友達は、受験に向けて、頑張り始めていた。そういえば、もう冬休みも終わり、三者面談の後にお兄ちゃんと喧嘩したんだった。
最悪の始まり。こんな中で進路なんて考えられない。お兄ちゃんの隣に立ってもおかしくないように、大学を選ばず、就職にしたのに、今更その意味も無くなってきたかも。
なんか恋愛ごとは、お姉ちゃんに似てるのかもしれない。愛してくれる人がいるのに、構ってくれないことを理由に浮気するなんて最低だ…。あれから、お兄ちゃんとは連絡も取ってないし、家にも行ってない。“仕事忙しくて、彼女の私がこんな思いしてるのもどうも思ってないんだろうな”そう寂しく思いながら、授業を受けていた。ふと窓を見た。私の席からは、ちょっと遠かったけど、曇り空が今にも雨になりそうなことを知らせていて、私の心境と同じに見えた。“やばっ、泣きそう…自業自得なのに…”寝たふりをしながら、少し泣いていた。誰も私に気づかず、授業を受けていたし、先生も何も言ってこないで、時間だけが経っていた。
放課後になり、友達も遊びに誘ってこなくなった。独り帰り道、お姉ちゃんを見かけた。その隣には、お兄ちゃんが立っていた。“どうして?あの二人が…。まさかヨリ戻したの?”2人に近づくのが怖くて、別の道から帰った。
家に着いて、すぐにお兄ちゃんにメールした。でも、既読もつかない。きっと今頃、お姉ちゃんと…。頭の中が嫌な妄想に耽るふける
裏垢というのは誰にもある。もちろん、こんな私だから、裏垢を持っている。そこには、色々な愚痴とか自分の体を曝け出してた。でも、そんなのもお兄ちゃんと付き合う前の話。先生とのことや、お姉ちゃんに対する愚痴なんかも晒してた。
久々に裏垢を開く。更新したのは相当先だ。なんか笑えてくる。それまで、愚痴ることもなく、自分の体を曝け出して、欲求を満たすことなく、お兄ちゃんでいっぱいだったんだ。“何で、あんなバカなことしちゃったのかな…”気づけば、そんなことを更新してた。私の体目当てのフォロワー陣が、心配のコメントと慰めようという下心ありのコメントをくれた。そんなのが虚しくてしかたなかった…。一番好きな人に思われて欲しいのに、そうできなかったのは自分自身だった。
もう寂しすぎて、体の関係を誰でもいいから求めようと、慰めのコメントをくれる人にDMを送ろうとした。でもできなかった。どんなに他の人に抱かれても、一番私の欲求を満たしてくれるのは、あの甘い指先だった。
もう一度、話あえばわかってくれるかも。連絡がつかないなら行くしかない。そう思い、部屋を飛び出し、お兄ちゃんの部屋へ行く。
電車で通うこの道はこんなにも遠く感じたっけと思いながら、鼓動が早くなって治らないのを気にしながら、お兄ちゃんの部屋に着いた。
そこで見たのは、部屋を少し赤らめた顔で出てくるお姉ちゃんと上半身裸のお兄ちゃんだった。私は目の前が真っ暗になった。あの二人…もしかして…でも、別れたんじゃないの?頭の中がぐるぐると周り、2人に気づかれないようにその場を去った。
孤独になってしまった私は、裏垢のコメントに寄せてくる下心丸出しの奴に返事をした。
彼の甘い指先 桜華 @sakura_yuuki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。彼の甘い指先の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます