お兄ちゃんとの亀裂
渋い顔をした母と汗を流しながら、私の対応をする新人教師。
とても嫌な気分だった。早く終えたい。それで、お兄ちゃんに甘えたい。
お兄ちゃん不足だから、その場の男とも寝てしまったんだ…。
モヤモヤした気持ちのまま、私は三者面談していた。
結局、母も私の適当な話に納得して、先生とも合意して私は就職の方向になった。
さて、来年になったら就活だ。お姉ちゃんやお兄ちゃんに意見聞こう。頼りになる先輩が2人もいるのだから、心強い。友達はだいたい進学になっているから、来年クラスが違っちゃうのは少し寂しいけど、それもしょうがない。
面談が終わって、母は家に先に帰った。私は”用事ある”と伝えて、お兄ちゃんに面談が終わった報告をした。
お兄ちゃんと待ち合わせして、ファミレスによって、2人で夕食にした。最近、こんな時間もなかった気がする。だからあんな…と暗い方に考えてしまうので、頭をブンブン振って、お兄ちゃんとの会話に戻った。顔を見た瞬間、さっきまで話してた雰囲気と違っていた。どこか怒ってる感じだった。
「どうしたの?」と聞いてみると、「お前、浮気したろ」「…っえ?なんのこと?私はお兄ちゃんだけだよ!」「…お前の姉貴の友達とこの前会ったんだ…。俺が元彼って知ってはいるけど、妹の彼氏になってるまでは知らなかったみたいで、お前を連れて、飲み会に行ったって。でも、お前、未成年だし、俺のこと好きだって言ってるし、そんなところ行くわけないって…そう信じてたのに。でも、飲み会に行くことはいいよ。いやダメだけど。でも、他の男とホテル行くなんて…」「…確かに飲み会行ったけど、ホテルなんて行ってないよ!」嘘だとわかってても、お兄ちゃんが私から離れていくのが嫌で、一生懸命言い訳を始めた。でも、お兄ちゃんはいつもの優しい目で私を見てくれなかった…。どこか冷めた目でこう言った「その男は、俺の知り合いでもあるんだよ。お前の姉貴経由で…。自慢げに“若い女の子と遊んじゃった〜“って言うから、“もう遊ぶのはよせよ“って言ったんだ。そしたら、そいつ、お前のこと凄い気に入ったらしくてさ、お前がいない間に勝手に写真をSNSにアップして、“さっき飲み会で知り合った子といいことしまーす“って、飲み会での写真をあげてた。そこに写ってたのはお前だった。
私は青ざめた…。あいつ、私がいない隙にそんなことしてたんだ。そんなことを知らずにいたので、黙っていたら、「何だ?さっきまでの言い訳はどうした?“私はしてない“って…。やっぱり嘘なんじゃん。」彼の表情がどんどん怒りに染まっていくのを感じた。
「お前とはもうやってらんねぇわ…」そう吐き捨てて、お金だけ置いて、店を出て行った。「…によ…。構ってくれないから、寂しかったんだよ。」素直になれずにいた自分が嫌で嫌でしょうがなかった…。
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