両思いに

「お前の姉貴と付き合っている時のキスは、お前が姉貴と被って見えた《ルビを入力…》からだ。あの時のあいつは、今の俺のように仕事に一生懸命だった。俺は正直言って、寂しかった。だからあの時、あいつに俺がお前とキスしてる所を見られればいいと思ったんだ。あいつに嫉妬させたかった。でも、今度は俺が逆にあいつに寂しい思いさせて、それで別れた。」

「でも、お兄ちゃん、お姉ちゃんが戻ってくる前に平然とした態度に戻ってた。それは…」

「…あの時の俺はどうかしてたんだな。お前が俺を好きだって事を利用しようとした。お前ら姉妹に不穏な空気にさせたくなかったんだ。だから、何もなかったような振りをした。」

「今は?」「さっきのキスじゃわからないか?俺もひと段落着いたし、お前のことをはっきりさせようとして、キスしたのに。」

そう言った後にもう一度キス。今度は大人のキス。舌が絡まり、頭の中が朦朧もうろうとなり、快感でおかしくなりそうだった。

唇が離れた時のお兄ちゃんは、妖艶な目つきになって、ここがそういう場所というのもあり、愛撫をし始めた。快感からか、さっきの恐怖はなくなり、気持ちが昂って、お兄ちゃんをもっと求めてしまう。今まで、勿体つけて中途半端な気持ちのままにされていた分。

あまりの快感に我を忘れそうになってたが…愛撫の途中で手が止まった。そこで我に帰った私は、様子が変なお兄ちゃんを見てたら、「本当にしてもいいのか?さっき、怖い目にあったばかりなのに…」悲しそうな目で見つめてくる彼の背中に腕を伸ばし抱きしめた。「お兄ちゃんだから、大丈夫。怖くないよ。」と言って、そっとキスをした。“まだ子供のキス”と笑いながら、さっきの続きを始めた。この2年間、ずっと憧れてた。本当に好きな人と結ばれることを。でも、どこかでさっきの副担の事があったし、お兄ちゃんとは恋人ではないからと諦めてた。

でも、今、こうしてお兄ちゃんの甘い指先で私の身体が愛撫されていき、それに高揚し、息が乱れる。変な声なんて、あの副担の時には出なかった。でも、好きな人に全身を舐めるように見られると恥ずかしさがあって、腕で隠そうとするが、お兄ちゃんももう止まらない感じになってた。“いくよ”そう聞こえた瞬間、彼のものが私の中に突き上げてきた。

激しく求め合う2人は、何度もキスをしながら、お兄ちゃんの振動を感じる。「…愛してる…」私の身体を揺さぶりながら、彼が言った一言。彼が知らないところで涙ぐんだ。“やっと両思いになれたんだ…”しばらくして、2人は…。これからは2人で幸せになれる。そう思ってた。

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