甘い指先

私達の秘密の関係が始まった。と言っても…ベースはそんなに変わらない。周りから見たら、私とお兄ちゃんはまるで兄妹みたいな感じでいる。お姉ちゃんにも、そんな風に見られてるし、親からもお兄ちゃんは頼られてる。

お兄ちゃんが、ちょっと時間がある時、呼び出される。彼の部屋でそっとキスをするのが、呼び出しの理由。私が怖がらないように、優しく口付けしてくれる。こんな優しいキスされてるのに、私は“彼女”じゃないんだ…。そう考えて、虚しく感じる時もあるが…、それでも、傍にいれるだけ叶ったのだから、文句は言えない…。

そして、秘密の関係になってから、お兄ちゃんの手が私に触れる時、やけに妖艶な手つきになる。どこかで一線をお互いに超えたいと思っているけど、私も例の人で、臆病になって、そこから先へ進めない。でも、お兄ちゃんなら…と心の準備は出来ている。ただ、お兄ちゃんにその気持ちをちゃんと伝えていないので、お兄ちゃんを生殺しにさせてしまっている状態だった。触れる手がエロく感じてしまう。

お兄ちゃんは、副担とは違い、タバコは吸わない。だから、あの匂いはしないから、優しい匂いでホッとする。だから、いつも寝ているそうだ。

だから決めた。秘密の関係が始まって、半年がたった時に、お兄ちゃんに打ち明けようと。だって、あまりにも私が怖がらないように、そっと触れる指先だけで、私の身体はとても感じてしまうのだ…。それが私自身も我慢できないでいる。それは副担のあの触り方とは違う甘い甘い触れ方。

もうすぐ、私も17歳になるし。お兄ちゃんは資格の勉強で会わない時間が増えてきた。もうすぐ就活も始める時期だし、お兄ちゃんの夢を応援するのは約束だったから。とても寂しい感じがした。あの甘い指先にしばらく、自分の体が触れていないことにもどかしさを感じる。でも、私からお兄ちゃんに連絡をしてはいけない。それがこの関係になる時の約束だったから。

そんなある日、いつものように一人で部屋の中田、お兄ちゃんの事を考えてたら、知らない番号から電話が来た。

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