第3話【島津斉彬《シマヅナリアキラ》】(幕府側反主流派)

第3話【島津斉彬シマヅナリアキラ】(幕府側反主流派)


島津斉彬は薩摩藩11代藩主である。

蘭癖ランペキと囁かれた曾祖父の強い影響を受けた斉彬は当時の藩主としては先見的な見識を持った人物であったと評される。

洋式造船・反射炉・溶鉱炉の建設。水雷・地雷・ガラス・ガス灯製造などの集成館事業を推進実行した。

政治中枢への参加への野心も高く娘・篤姫(後の天璋院)を時の将軍に嫁がせ外戚となった。

一方で家老・調所広郷ズショヒロサトや実父・島津斉興とその側室・お由良の方には疎まれていた。

特にお由良の方は実子・久光を藩主にしたい願望もあった。

これらの火種がお由良騒動と呼ばれるお家騒動になり最終的に老中・阿部正弘アベマサヒロなどの斉彬と親しい人物達の仲裁を受けて斉興は隠居し、斉彬が藩主となれたのである。

また身分の高くなかった西郷吉之助(後の西郷隆盛)を重用するなど人事面でも辣腕を振るった。

徳川14代将軍継嗣問題では一橋派の中心で活動するも大老・井伊直弼の『安政の大獄』などの強権政策によって慶福派に敗れた。

これに反発した斉彬は藩兵5,000人を率い上洛を図る。

が、その最中に急死した。

【享年49歳】

あくまでも斉彬は幕権強化・雄藩連合路線の思想であったのではと個人的に推察する。

歴史の妙ではあるもののあのタイミングで斉彬が急死したからこそその後の明治維新が加速したとも思えなくはない。

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