第2話【橋本左内《ハシモトサナイ》】(やや反幕府)

橋本左内ハシモトサナイは福井藩・松平春嶽マツダイラシュンガクの懐刀として活躍した人物である。

医者としての側面を持つ。

水戸藩の藤田東湖フジタトウコに学び西郷吉之助サイゴウキチノスケらと交流を深めた。

時勢の逼迫した状況に際して左内は藩医の職を辞した。

その後、松平春嶽に見出された左内は側近の一人として活動した。

松平春嶽マツダイラシュンガク島津斉彬シマヅナリアキラらによる14代将軍継嗣問題に於いて一橋派として活躍するも、大老・井伊直弼イイナオスケが推す徳川慶福トクガワヨシトミが次期将軍となった。

更に井伊直弼による反幕府勢力(この時期は反体制派)弾圧が始まる。【安政の大獄】である。

左内も捕縛された。

本来ならば遠島が下される筈であったが、

「私は藩主に命じられた迄。私の意思では無い。」

という意味合いの主張をした為に朱子学的には藩主を庇う場面での保身発言と受け止められたのか?

それらの要素が相まって井伊直弼の癇に障る左内の主張がその命運を絶つ。

死罪に処されるとは微塵も思っていなかった左内は斬首に処された。

あまりの無念さに泣きじゃくりながらでの斬首の執行であったと伝わる…

【享年25歳】

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