#12 港での戦い2


 何も存在しなかった昏い世界に、月光の薄明かりが色をもたらしていく。

 目を凝らすこともない。気が付くと、目の前で交叉する剣の向こうに、見慣れた頼もしい程の巨躯……ベルーガ兄さんがいた。

「あ…」

「“あ…”じゃねぇ! しゃんとしやがれ!」

 そして、側から投げかけられる揶揄う声。

「ベルーガ兄じゃあ間違えたって仕方ねぇやな。どっからどう見てもバケモン側だ」

「テメェだってどっからどう見ても悪人ヅラだろうが、アルゲイド」

「どっちもどっちだ。二人とももっと身だしなみに気を遣うべきだね」

「同感だな」

 いつの間にか、兄さん達が集まってきていた。曲刀を持つアルゲイド兄、長剣の優男はベアフォーリ兄、短剣二刀のお調子者はダイラ兄………


 そして、俺の剣を受けた大槍の男はベルーガ兄。最近太り気味のオクトロアノ兄とは違い、こちらは縦に大きい。そしてオクトロノア兄程おとなしいたちでもなく、兄弟の中では特に気性の荒い組に入る。しかしながら食人鬼(オーガ)に例えられることがないのは、顔立ちが端正だからだ。ルアンは彼を指して、「英雄的」とさえ言ってのけたが、インファリア姉さんは「違う」という。「英雄は女たらしで繊細なものだからな。あれは良くも悪くも鈍い」……そのインファリア姉さんは“巨人”と呼ぶ。実際ベルーガ兄さんを慕いながらも、その好意にすら気付いてもらえず玉砕した女性は多いらしい。

 ベルーガ兄さんは、あらゆる意味で“強い”のだと思う。フィーニの兄弟姉妹の中でとにかく強い人を三人挙げろと言われれば、ベルーガ兄さんは間違いなく入る。だけど彼以外の二人は、条件で変わる。言い換えれば、彼の強さは条件を選ばない。うまく説明はできないのだが、例えば………


「ごめん、ベルーガ兄さん」

「ん? ……ああ、怪我はねぇんだから気にするな」

 俺が先程剣を向けた事を謝ると、ベルーガ兄さんは大槍を振るいながらも一瞬だけ考える仕種をした。さっき耳が裂けかと思うくらい怒鳴りつけておきながら、既に気にしていないのだ。小事に拘らない性格は、本当に「英雄的」であり、「鈍い」のだと思う。そして本当に大事なことは決して見失わない。……共に肩を並べる仲間達からすると、その辺りが鉄壁の信頼となりうるのだ。

「そのかわり、しゃんとしろよ。疲れただの何だのってのは言い訳にはならん」

 柱のような大槍が辺り一帯を薙ぎ払った。何人の亡霊が、などと数える間もない。大槍が再び構えの姿勢で制止した時には彼の目の前は綺麗になっていた。「手応えがねぇとつまんねぇなぁ」というぼやきも一緒に聞こえて来た。


「姐御が心配してたんだぜ? ここまで来て怪我してたんじゃあ、手下どもを何人ぶちのめしても姐御の機嫌直りやしねぇよ」

 髭面の強面が「ジョークだよ」と言わんばかりに笑う。……その手入れの出鱈目な髭や、野卑な言葉遣いは何処からどう見ても賊の類。それも海賊ではなく山賊の方。

 だけどその彼が、一見棒きれにしか見えない鞘から愛用の曲刀を抜き、構えた時、印象は裏返る。そこには「達人」が現れる。

 緩めの反りのある曲刀は両刃。腹は文字通りの曲刀。切っ先は短剣の刃。そして反った背は鎌のように相手を切り裂く。一刀でありながら、全ての動作から攻撃を繰り出せる。その型も言ってみればアルゲイド兄の我流。本人は「姐御の真似っコだ」と言っているが、兄弟達でさえ皆疑問符を浮かべる。

 ……だけど、俺には少しだけ分かる気がする。要するに、イサリア母さんが二本の短剣でやっていることを、特注の曲刀一本でこなしているのだ。流れるように斬り合っていける彼のスタイルは、この乱戦にこそ最も有効なのかもしれない。

 その強さはベルーガ兄と並び称される事も多い。そんなフィーニ一族の達人がアルゲイド兄だ。


「何なら休んでたっていいぜ。こんだけ戦力がいるんだからな」

「そうだね。……僕も楽できそうだ」

 二人の背後でフォローに徹するのはダイラ兄とベアフォーリ兄。

 ダイラ兄はベルーガ兄とはまた違う意味で状況を選ばない。どんな相手にも強いのがベルーガ兄ならば、どんな状況においても立ち回れるのがダイラ兄だ。即ち、彼はどんな武器でも使いこなし、どんな場所でも戦える。

 でも俺は知っている。彼が一番得意なのは、相手の力を利用しての反撃。だから彼が見ているのは状況よりも相手の方なのだが、それが結果的にどんな相手に対しても有効な戦術を作り出せる。そんなことはダイラ兄でなければできない。今持っている二刀の短剣も、威力よりも隙の少なさと手の早さを選んだ結果の選択なのだろう。……気紛れにイサリア母さんの真似でなければ、だが。……そう言うならフォローには少し不向きかもしれない。

 しかして彼の背にはベアフォーリ兄がいる。これら凄腕の兄弟の中では目立ってないのだが、彼の目は常に戦場そのものを見ている。敵が何を見ているか。何を目指しているのか。そして何処が見えていないのか。兄弟内で組み手を行う時などは、彼のそんな戦い方は決して歓迎されない。突然消えていつの間にか打ち込まれているベアフォーリ兄の動きを、オルカはしばし「ズルだ!」と非難する。しかし、その彼だからこそ誰よりも安心して背中を任せられる。その戦術眼はこの乱戦においても失われることはなく、確実に他三人の死角を埋めに動いている。大味なベルーガ兄や立ち位置が頻繁に動くアルゲイド兄、そして明らかにフォロー役の武器選択ではないダイラ兄、その三人の死角を確実に埋めるのがベアフォーリ兄だった。彼に特別な技など必要ない。そして、それはむしろ“攻め”よりも難しいということをフィーニの兄弟達は皆知っている。兄弟の誰も、ベアフォーリ兄さんのように辺りに気を配り続けることなどできはなしないのだ。


「ファロンはウィノン母さんを守るんだ。亡霊達なんて、この“兄さん達”に任せておいてさ」

『おぅよっ!』

 ――――頼もしい。その言葉だけが、俺の胸の内を熱くしていた。

 自分にこんなにも頼もしい家族がいるのだということがただただ誇らしかった。この人達が家族で、本当に良かったと思う。並んで立っているだけで疲れなんて忘れられる。安心して背中を任せられる。声を聞いているだけで、満たされていく……だけど……

「―――――ファロンはあとでお仕置きです」

『……………』

 静かな声のくせによく通る声が、この場の雰囲気を一気に凍り付かせた。言うまでもなく、その声の主はウィノン母さん。

「………え?」

「兄弟に剣を向けたのですから。私は何度も呼びかけたのですよ」

 ……まずい。ウィノン母さんのあの目は本気だ。俺は直ぐさまそれを悟り、助けを請うように“頼もしい”兄さん達の方を見やったが……

「ち。いくらでもわいてきやがる。キリがねぇってばよ」

「へっ……! いいじゃねぇか、まだまだ暴れ足りねぇところだ!」

「嗚呼、アーチェル、小さなクインシア、それにセルカエス、サエリエスの姉妹……今頃どうしているだろうか……果たして無事なのだろうか」

 ……亡霊達の相手に手一杯なフリをされた。それも露骨なセリフ付きで。

 それにしてもベルーガ兄は断トツで誤魔化しが下手だな……棒読みの上に口調までおかしくなっている。

「助けを請おうだなんて無駄ですよ。三人とも、今日はとっても良い子でしたから、ねぇ?」

『お、おぅよっ』

「ふふふ………」

 背を向けて亡霊達の相手をする兄さん達の息を飲む音が三つ重なって聞こえたような気がした。―――――そういえば失念していた。ここに来ている兄さん達はみんなウィノン母さんの“懲罰”の常連だ。その恐ろしさだってよく知っている。そして……

「はっはっはっはっ……! そうかそうか! 今度の島はファロンが一緒か! 何事も仲間がいると心強いもんだ。少しは楽しくなりそうだな、ま、よろしくな! 最愛の弟よぉ!」

「―――――――――――」

 一番の常連であるダイラ兄だけは、肩に手を回してきながら大喜び。多分、既に昨日か今日の間に何かしらの懲罰が確定しているのだろう。本当に、こういう時のダイラ兄はどう肯定的に捉えても仲間だとは思われたくないものだ。実際、ダイラ兄の懲罰に巻き込まれたことも過去二度ある。同じ組になったが為に起きた不運である。

「……今度は何をしたの、ダイラ兄さん」

「いやこれがまたケッサクでな。セルエ姉に一目惚れしたってオッサンがいてな。身に着けてるものを何でもいいから売ってくれって言うんで、姉がいない間にこっそり部屋の中に忍び込んで下着を盗み出したわけだ」

 ―――ダイラ兄は女の敵だ。

「だけどそのオッサンも気持ち悪かったんで代わりに親父の下着を『セルエ姉さんのだ』って言って渡したらこれが本気で信じちまいやがってよぉっ! 親父の変なフェロモンが染みついてるからなぁ、多分しばらくは気付かねぇぞ」

 ……そして男の敵だ。つまり人類の敵だ。っていうか悪魔かアンタは。

「……な、今回は笑えるだろ?」

 まぁ、ダイラ兄の悪戯癖は今に始まったことではない。元来目立ちたがりな性格だから、……多分一生治らないんだろうなぁ……

 兄さん達が戦っている影で、いつの間にかじっくり話し込んでいる俺達二人に、再びあの凍り付くような声が聞こえてきた。

「―――――どうしてあなたがここにいるのですか? ダイラ」

「いや……そりゃ、イサリア母さんから言われて、ウィノン母さんだけまだ港にいるってんで、兄貴達集めて……」

「ベルーガ達は関係ありません。あなたが、どうしてこの港にいるのかを聞いているのです」

「……え?、あ?、俺、ここに居ちゃいけない存在っすか?」

 さすがに傷ついたみたいだ。ま、直ぐに忘れると思う。

「トッド・モーディアに乗ってくださいと、通達が行きませんでしたか?」

(あ……)

 母さんのその言葉に、俺ははっとなった。すっかり失念していた。

 そう。本当なら、ダイラ兄はエランダやクラレリア母さんと一緒にトッド・モーディアに乗って護衛している筈なのだ。だけど……

「俺、ずっと港の警備してたっすよ。そこの三人と一緒に。つっても、避難が始まってからは暇でずっと見回りばっかりだったっすけど。……なんか、マズかったっすか?」

「――――ダイラ、更に三日追加します」

「ええええぇぇぇ????」

 ウィノン母さんの追加の台詞は多分冗談だろう。また目が無表情だから。ダイラ兄はそれに気が付いていない。でもそんなことはどうだっていい。

 ――――なんだか胸騒ぎがする。俺は二人のやりとりに割り込んで、ダイラ兄に尋ねた。

「ダイラ兄を呼びに来なかった? モーディア商会の誰かが」

「いや、来てねぇぞ。トッド・モーディアの前も何回か通ったけどな、ムトンが挨拶してくれたが、探してるって感じはなかった」

 直ぐさま、俺はトッド・モーディアの停泊している船へと駆け出した。




 アイツ……! あの男……あの、ギムローという男は、やはり何か思惑があってこのフレスガノンに来たのだろう。そしてそれは今夜の異変に関係している。いや、アイツが引き起こしているのかもしれない。そうでなきゃ、この非常事態にウィノン母さんの指示にこっそり従わずにいる筈がない。

 例の亡霊達はその数を少なくしたとはいえ、未だ手に持ったそれぞれの武器、あるいは不釣り合いな凶器で人を襲い続けていた。今港には残っているのはそのほとんどが戦闘要員ばかりだから平気だが、戦えない人ばかりが避難している船はどうなっただろうか? ここから見ている分には、沖に出た船の方は落ち着いているように見える。ウィノン母さんの話では、船にも戦える者を乗せているから大丈夫だそうだが、不安は増す。特に身重のアーシャ母さんや、幼い子供を連れているはずのウルザ姉やレアー姉達も船に乗っている筈だけど。

 海上の船の灯りはまだはっきりと見えている。だけど、その上には傾きだして不気味なくらい大きく、赤くなった月が出ている。今夜はそれが酷く不吉に見えた。これからあの月が海に溶けていく。まだ夜は明けない。最も暗い時間は、これから訪れる。

 それまでに……今夜の元凶を突き止めなくては。


 ――――見えてきた。沖に並んだ中で最も小さな船。それがモーディア商会の帆船。トッド・モーディアだ。

(!?)

 俺は我が目を疑った。波止場に並ぶ大型船に見えるトッド・モーディアは、既に波止場からゆっくりと離れ始めていたのだから。

「まずい……!」

 あれには、エランダやクラレリア母さんが乗っている! 今逃げられたら、取り返しの付かないことになる!

「伝令! トッド・モーディアが出ようとしている! イサリア母さんとウィノン母さんに確認を取ってくれ! 誰か!」

 俺は辺りの人間を探しながら叫んだ。だけど、どうしてなのかこの時この場所だけが、不自然な程に人の姿が無かった。早くに亡霊がいなくなって、余所の応援に行ってしまったのだろう。……なんて不運……! いや、これもアイツの計算か?

 焦る気持ちばかりが高まる。船は少しずつ離れていく。俺一人なら、まだギリギリ乗り込めるかもしれない。だけど、俺一人が乗り込んでいくのはあまりに無謀。しかも母さん達は知らないままだから、援護だって期待できない。

 ならば、やはり俺が伝令の為に戻るしかないじゃないか。

 諦めてもと来た道を走ろうと振り返ると、倒れそうな程に背中を叩かれた。あまりにも強い力と大きな手はベルーガ兄さんのものだった。

「伝令にはアルゲイドを行かせた、俺達で行くぞ!」

 俺は頷き、直ぐさまそれに続いた。しかし、船着き場に辿り着いた時には既に遅く、

「くそぅ………っ!」

 桟橋を離れてしまった船は、既に人が飛び越えられない程に離れてしまっていた。

 闇夜に紛れ、帆を畳んだまま、そろそろと流されるように静かに離れていく小型の船に、順番を待つ他の大きな船はまだ気付いていない。もしかしたら船上にも亡霊が出て応戦しているのかもしれない。


「ファロン」

 そんな時、ベルーガが船を睨み付けたままで声をかけた。

「お前のその服はパジャマか?」

「え? ああ、そうだけど」

 最初、どうしてそんな質問をしてくるのかが分からなかった。

「……その上着は?」

「ああ、上着だけはいつものジャケットだよ。寒いだろうからって、上だけ着て出てきた」

「そうか」

 ベルーガ兄さんがニヤリと笑う。その意味を、俺はまだ理解できない。ただ、何となく感じる嫌な予感に追い詰められている感覚がする。

 逃げようと思えばできたのかもしれない。だけどもう遅い。もし逃げるならば、ベルーガ兄さんが質問した時、答える前に逃げるべきだった。つまり、岸から離れてしまったトッド・モーディア号と同じく手遅れ……いや、ある意味そっちはまだ“手遅れ”ではなかったことを、俺はこの直後に思い知る事になる。

「じゃあ、そっちは丈夫だな」

(丈夫……?)

 考える間もなく、答えは示された。一瞬の内に兄さんは槍の穂先に俺の上着の襟首を引っかけた。途端に宙に釣られる形となった俺は、当然その後に何をするつもりなのかも当然予想できた。予想して、背筋が凍った。ベルーガ兄さんなら、本気でやりかねない……!

「ちょと! 冗談だろ!?」

「全身の力を抜けっ! 何があっても絶対剣を放すなっ! 着地までは面倒を見れんから自分でなんとかしろっ! 何としても甲板に食らいつけ! それから………」

 まくし立てる中、一瞬だけ静けさが訪れた。槍からも“しん…”と力が抜け、俺は一瞬、彼が思い直してくれたのかと安堵したのだが、

「……一応先に謝っておく。もしまんがいち他の船にぶつかったり船に届かず海に落ちたら、

 ………その時は俺の責任だっ!! そうなったら、俺もまたダイラと一緒に絶海の孤島まで付き合おうぅっ!!!」

 何が怖かったかってその台詞が一番怖かった。どうせやると決めているのならいっそ何も言わず問答無用でやってほしかった。あるいはイサリア母さんなら檄を飛ばしただろうか。その方が、……少なくとも最後の瞬間まで家族を信頼できるから。

 なのにこの大男は、失敗覚悟の弱気な台詞を、

 そんな台詞に似合わない大声で叫びながら、

 そして最後はまるで心中でもするかのようなやけくそな気合いと共に、

 その大槍を振りかぶり、

 目標目掛けて大きく振り下ろしたのだ。

 直後、俺の体は風を切って宙を飛んだ。


「――――!!!―――――――っ!!!!」


 悲鳴など出るはずもない。呼吸だけでやっとなのだから。

 上も下も分からない体勢を復帰させる足場も支えもなく、俺はしばらく空を足掻き続けた。頭にあるのは、ただ無様なぶつかり方をしたら怪我じゃすまないだろうという、焦り。

(冗談じゃない!)

 心の中で呟き、半ばベルーガ兄を恨みながらも、俺は必死になって姿勢を整えた。何処に着地するか何て分かりはしない。ただ落ちたとき、怪我をしないよう、俺は着地場所までの距離をギリギリまで計り続けた。

 ベルーガ兄の狙いはあやまたず、俺は目標であるトッド・モーディアの甲板に落ちた。両手足を使って衝撃を和らげ、それでも足りず、揺れる船の甲板を転げ回り、縁に体をぶつけ四肢でしがみついてようやく止まった。……そうでもしなければ多分落ちていただろう。


「……これは驚いたな。追跡にそんな手段を使ってくるなんて……」

 声が聞こえる。驚愕する声。だけど、決して味方ではない声。

 足と背中が痛む。俺はどうやら、トッド・モーディアまでは辿り着けたらしいが……

「海賊流のやり方かい? それともフィーニ流かな?」

 眩暈のする頭を振って、俺の前に現れたソイツに向き直った。

 細身の剣を抜き現れたのは、青瞳に黒髪の青年……ギムだ。爽やかさはそのままに、だけど言葉の節々に散りばめた悪意は、もはや隠そうともしない。

「対コソ泥用だよ。二度とゴメンだけどな」

 俺もまた、敵意を隠さずにそう告げた。

 剣は……ちゃんと持ってきてる。使い慣れた自分のサーベルではないけど、我儘は言っていられない。ダイラ兄さんなら愛用の武器が無くたって、最悪素手でも戦うのだろう。

 今戦えるのが俺しかいない以上、俺が、やらなきゃいけない。俺はすらりと、剣を抜いた。

「さぁ、船を止めて洗いざらい吐いて貰うぞ……!」

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