#11 港での戦い1


 港は騒然としていた。武器を持った沢山の人達。不安に泣く子供たちの声。駆け足で船に何やら積み込んでいる人足。人を誘導している人達の大きな声。そして、そんな彼ら相手に決して逆らってはいけない威圧感を振りまきながら指示を出すイサリア母さんがいた。恐らく、避難の最後の確認をしているのだと思う。剣を携え睨みを利かせて待機している男達が、亡霊たちの出現に備えピリピリしている。

 波止場には今までに見たこともない数の船が停泊している。人々を避難させる為に、普段は沖で警戒に当たる船のほとんどを呼び戻したのだろうというのは容易に想像できた。そして、既に半分が避難し終え、俺達が逃げ遅れた最後であろうことも。

「遅いですよ。これが津波だったら完全に取り残されています」

「そうだぞ! 集合合図がかかったらすぐに集まらなきゃ他の奴らにしめしがつかないんだからな! 分かってるのか!」

 そんな俺達を出迎えたのは、避難民のチェックをしているウィノン母さんとエランダの二人、そして手伝うことがなかったせいか一人でその三倍やかましいオルカ。

 そして昼間のあの男……ギムというモーディア商会の見習いもいる。彼も警戒に当たっていたのだろう。腰には細身の剣を携えているのが見えた。

「特にルアン。あなたは――――」

「女子供は出来る限り早く逃げろってんだ! でなきゃ俺達は戦えやしねぇ! あぅっ!」

 調子に乗り過ぎたオルカの頭に、ウィノン母さんの筆記用ボードが落ちた。

「ん――――………‥‥‥」

 そして頭を抱えて何やら唸り声を上げる。……突っ込む所が多すぎて言葉がまとまらないのだろう。誰でも経験がある。

「オルカはともかく黙っていなさい。今の君には発言権もありません」

 そして続く全否定。さすがにちょっと酷かなと思ったが、どうやらそう思っていたのは俺だけらしい。隣からはルアンの「ふん」という軽蔑したような声。そしてエランダは俺にこう耳打ちで教えてくれた。「助けに行くって聞かなかったのよ」と。……つまり、ルアンと同じ行動に出ようとしたが止められ、ここでずっと不満を溜めこんでいたということか。まったく変な所で行動が似てくるものだ。ルアンが聞いたら怒りそうだが。

 そのルアンは、ここへ来る前に俺の背中から降り、俺から見て不自然な程に澄ましていた。こっちはこっちでよくそんな態度が取れるものだと思う。

「ウィノンさん、ごめんなさいね。私がぐずぐずしていたのがいけなかったの。怒らないでやってあげて」

 クラレリア母さんは、自分が悪いと俺達を庇ってくれた。

「そうですね、小言は後にしましょう」

 そう言って眼鏡越しにギロリとルアンを睨むウィノン母さん。ルアンは再び俺の背中へと隠れてしまっていた。……ルアンでもウィノン母さんの睨みは恐ろしいのかと感心していると……

「クラレリアの事を忘れてたみんなが悪いの。私は悪くないもの」

 と憎まれ口を叩いてくれた。……盾にされた俺はたまったものではない。戦うか逃げるかのどっちかにして欲しい。ウィノン母さんの視線が怖い。


 ウィノン母さんは商家の生まれであり、特に腕っぷしが強いとかそういうわけではないのだが、フィーニ一家のみならずフレスガノン全体でも逆らってはいけない人に数えられる。

 悪い子はウィノン母さんに連れていかれるのである。これは子供を怖がらせる怪談とかではなく事実だ。

 彼女はフレスガノン全体の商売関係を仕切っており、おかげで常に忙しく、そして常に人手が足りない。そんな人員不足の穴埋めに、余計な仕事を増やしてくれた悪い子を長期間手伝わせるのである。そうして乗せられる船は逃げ道も無く、連れてこられた理由も理由なのでかなりハードに扱き使われるため、その手の常連たちの間では「懲罰船」と呼ばれて畏れられていたりする。当たり前だが、怪談にありがちな、「連れ去られた子供たちは二度と帰ってこない」というようなことはない。ただ、フィーニの子供達は半数以上が経験しており、そして常連になっている兄さん、姉さん達がいるだけだ。

 今回も、一人で飛び出したルアンは確定として、ひょっとしたら俺もウィノン母さんに“連れ去られる”かもしれない。冷や汗すら凍る思いがした。

「と……とにかく無事で良かったわ」

 助け船のつもりだろうか。エランダがウィノン母さんの間に割って入ってそう締めてくれた。


「他のみんなは? ハスア母さんは?」

「ハスアさんはいの一番にミアキスさんが見つけてアズムール号に乗せて沖に出しました。ミアキスさん以下使用人達が総出で見張ってますから万にひとつも逃げ出すようなことはないでしょう。イサリアさんの調査隊を除けば、避難民を乗せた船はあなた達で最後ですよ」

 ひとまずほっと胸を撫で下ろす。……いや、そこまで心配されているハスア母さんの方に問題を感じなくはないが、俺達家族側の対応も慣れたものだ。ウィノン母さんなんて、今夜何度と無くそれを確認されたのではないだろうか? でなければ、ここまで慣れた受け答えなど出来るはずもない。

「これで駄目なら首輪と縄が必要ね」

 ぼそっと、俺だけに聞こえるような声でルアンが呟く。……俺は返事を控えることにした。

「……ともかく、そちらの奥方も船に避難を」

 その声は、昼間目撃したエランダとの逢引相手のギムのものだった。一瞬、どうして彼が?と疑問も湧いたが、ウィノン母さんが彼に返したことで、その理由も直ぐに知れた。

「そうですね。クラレリアさんとリトラ、ルアン、エランダ、オルカはトッド・モーディアに乗ってください。守備にはダイラをつけます。そこのギムローさんやシーザーさんも剣を使えるようなので、護衛をお願いします。……というわけで、ギムローさん、申し訳ありませんがダイラにもトッド・モーディアで待機するよう伝えて下さい」

「さっきの彼ですね、分かりました」

 ウィノン母さんに言われ、ギムはきちっとした返事を返した。

 あの亡霊達がどういう理屈で出現しているのかは不明のままのようだが、船で海上に出た方が守りやすいと判断されたのだろう。戦えない女子供を筆頭に港の船に乗せられ、そこに数人の護衛を付けて沿岸に出されているようだ。……いや、港を放棄するという最悪の事態まで想定してのことかもしれない。そうなった場合、何隻かでも出航が進んでいれば、残りの船も出しやすい筈だから。

 港の船全てが避難所になっているのだから、当然モーディア商会の商船トッド・モーディアも避難所として要請されたのだろう。だがいつでも船を動かせるように女将のメイザは船で待機していなければならない。それでその乗員である彼が波止場に出て待っていたのだろう。

 ……そういえば、エランダが「ギム」と呼ぶのを聞いただけで、本名を聞くのは初めてだった。ギムローという名前なのか。そう思っていると、身を翻した彼と目が合った。彼は僅かに表情を和らげて応え、そして去っていった。口喧嘩を始めたルアンとオルカを叱るエランダと、リトラを抱えるクラレリア母さんを引き連れて。……これから避難するというのに随分と賑やかな一団だ。その後ろを守るようにして付いていく無口なシーザーが、なんだかやりにくそうに見えた。


 俺もまだやるべきことがありそうだ。屋敷を出る時に剣を持ってきておいて良かった。着ているのが寝巻の上からジャケットを羽織っただけなので、格好としては何とも奇妙だが、亡霊相手なら体が軽いのはいいかもしれない。そうして考え事をしていると、ウィノン母さんに声を掛けられた。

「疲れているのではありませんか?」

「いえ、全然そんなことないですよ」

 急に背筋が伸びたような気がした。ウィノン母さんに突然話しかけられると、なんだか意味もなく緊張する。俺にとっては、クラレリア母さんの次に敬語でないと話しづらい家族である。……もっとも、この人自身が誰に対してもキッチリした言葉なので、砕けた話し方でなどと言われるようなことはない。その分だけクラレリア母さんよりほんの少し気楽だ。

「イサリアさんから調査を手伝うようにと言われています。帰ってきたら直ぐに顔を見せなさいと」

「調査?」

 呟いて、俺は向こうにいるイサリア母さんの方へ目を向けた。

 イサリア母さんは相変わらず、てきぱきと忙しそうに怒鳴り散らしている。入れ違いにやってくる海賊達がたじろいでいるのがここからでもよく分かる。即席に設けられた机と椅子が今にも蹴飛ばされそうで、即席チームの本部としてはあまりにもまとまり無く見えた。

「調査隊を組織して事の原因を調べてもらっています」

「ああ、なるほど……」

 イサリア母さんの指揮棒?が海賊達の頭を次々とひっぱたいていく。最後はずっと奥から現れた別の海賊の顔面に向かって投げつけられた。……あれはアルゲイド兄さんだ。母さんの「誰が姐御だ!」という声がここまで聞こえてきた。兄さんは道端に壮絶にダウンしている。アルゲイド兄も懲りないなぁ……

「しかし進展はないようですね」

「…………………みたいですね」

 あの荒れ方はそれ以外あり得ない。だからこそ、離れて動いていた俺が何かを見つけていることに期待しているのだろう。

「もし疲れているようなら、私が代わりに行って断ってきてあげますよ?」

「いえ、大丈夫ですよ。心配をかけたみたいですから顔ぐらい出しておかないと……」

「そこを敢えて後回しにしてみてはどうでしょう」

「………提案の意味がよくわからないんですけど」

「分かりませんか?」

 無表情でそう聞き返すウィノン母さん。俺は少し困った。

「イサリアさん、すごく心配すると思うのです」

「それは……当然そうでしょうけれど」

 ウィノン母さんは普段理詰めで隙のない話し方をする。だけど、時々……本当に時々こんな風によく分からない悪戯のような事を言い出す時がある。この時の雰囲気は元祖図書館の虫インファリア姉さんに似ている。もっとも普段は言葉遣いが違うから、そんな風には感じないのだけど。ちなみにインファリア姉さんがこういう変な事を言い出す時は、決まって誰かをからかう時だ。そしてオルカみたいな純真な弟が犠牲となり、変な言葉を覚えていくのだろう。

 ウィノン母さんの場合はその意図は不明だが、そんな時必ず無表情になる。それはもう、シーザーでもどうかという程に。だからこそなおさらに、一体どう答えて良いのかがさっぱり分からない。ただ必ず言えるのは、そんなおかしな提案に乗ると余計大変なことになりそうということ。

 信じがたいが、もしかしたらウィノン母さんにとっては冗談のつもりなのかもしれない。

「あれ以上機嫌が悪くなったらさすがに怪我人が出そうです。それに、俺も言う事を聞かずに飛び出して行ったクチなんで」

 俺がそう断ると、ウィノン母さんの無表情が少しだけ弛んだ。

「ファロンは本当に良い子ですね。イサリアさんに見習ってほしいくらいです」

「はぁ」

 ……本当に、こういう時のウィノン母さんは考えが読めない……イサリア母さんくらい分かり易かったら良かったんだけど。

 やがてウィノン母さんは眼鏡を直し、俺に真っ直ぐに向き直って、こう言った。

「勤労は美徳です。まだ頑張るというあなたを、私は賞賛します」

 その台詞は、彼女の決まり文句のようなものだ。……剣の訓練となるとサボりがちな俺だけど、この台詞を聞くと心が引き締まるような気がする。

「――――はい」

 俺もまたウィノン母さんに倣って姿勢を正し、短く返事を返した。そして、イサリア母さんの方へと向き直ろうとした所で……


 キシイィィ――――――


「……!」

 そんな、聞いたこともないような音が耳を突き抜け、俺は思わずその場に蹲った。無理にその音を例えるなら、ガレー船程もある巨大な一枚岩に、一直線に突き抜けるようにヒビが入れば、これに近い音になるだろうか? 勿論、そんな岩など何処には存在しない。あるいは、目に見えない、形の無い何かが存在しているのかもしれない。

 未だ痛み続ける耳を押さえたまま、俺は辺りを見回した。その音を聞いたらしい人達はみんな、俺と同じように耳を押さえていた。

「一体何ですか? イサリアさんが遂に港を叩き割りましたか」

「そんなわけないですから。落ち着いて下さいウィノン母さん」

 ウィノン母さんは冷静な表情でいながら、明らかなパニックに陥っていた。俺はというと、この人のそんなおかしな台詞であっと言う間に冷静さを取り戻していた。………というか、ウィノン母さん……いつかイサリア母さんがそんなことをやりかねないなんて思っていたのだろうか。

 あり得ないと思いながらも、俺は無意識の内にイサリア母さんの姿を探して、先程まで部下を怒鳴り散らしていたあの場所へと目を向けていた。


 ――――そして、我が目を疑った。そこにいた人の影が、明確に増えていた。

 音の鳴る前に見た時から数秒と経っていない。ほんのその瞬間の出来事でしかない。

 信じられずに辺りを見回す。そうして視界をブレさせる度に、人影はなおも増え続ける。

 その全てが、この夜を襲った亡霊達。俺は直ぐにまたウィノン母さんの方へと視線を戻していた。その僅かな瞬間にさえ、亡霊は現れる。

「……母さんっ!!」

 案の定、直ぐ近くで大柄な騎士が剣を振り上げていた。

 俺は咄嗟に剣を抜き、母さんの横を抜けながら剣を突き出した。その騎士はやはり初めからそこにいなかったかのように消えていったが……

「こんなに沢山……」

 庭でクラレリア母さんを助けた時にすら見たことのない数の亡霊が、この港を埋め尽くしていた。

 傭兵風の男に甲冑を着た騎士達。だが今出てきたのはそれだけではない。貴族の男、鎖で繋がれた囚人、真っ黒な身なりの鉱夫や農夫、立派な髭の商人………果ては貧しい身なりの少女、腰の曲がった老婆まで………

 突然現れた彼らは、身なりも歳も性別さえも皆バラバラで、しかし何処かの国には存在しているのかもしれない人々。

 だが、その誰もが、狂気に彩られた表情のまま、手には各々の刃を握りしめているのだ。

 兵士は剣を。騎士は斧槍を。農夫は鎌を。商人は金槌を。少女や老婆までもが包丁やナイフを握りしめている。

 目を凝らせば透き通る悪夢のような一団の、それら無数の凶器だけが、深夜の暗闇に照り輝き、蠢いていた。

[…指輪を[…その指輪をちょうだい…[お母さん私にちょうだい…[だって君には似合ってない…[俺こそがそれを持つに相応しい…[死ねよ!…[だれが貴様などにくれてやるものか…[代わりに私が王となる…[さぁ…よこせ![何処へ隠しやがった…[腹の中か? それとも[なら…引き裂いてやる…[兄さん何処へ行ったんだい?[指を切り落としてやる…[いくら可愛い弟といえども…[許さない…[喋らないのなら今度はその引っこ抜いてやろうか…[強情だな…[家族の命が惜しくないと見える…[育ててやった恩を仇で返しおって![貴様…[坊や残念だったな…[てめぇのパパは指輪の方が大事なんだとよ…[この盗人風情が…[約束を違えたのか…[地獄へ堕ちろ…]

 聞いているだけで気分が悪くなるほどの殺意と憎悪と怒り。一切の平穏は無く、一切の正気も無い。ただ目の前の存在に対して刃の煌めきを振り上げる。襲う者、襲われる者……だが、その境界は存在しない。彼らは、互いに殺し合っているようにさえ見えた。

 それは、想像したこともないような光景。人が恐怖を以て地獄を想像したのならば、今目の前に広がる光景は狂気と凶器で創造された地獄。

 ……咎人達の地獄。それが、このフレスガノンに覆いかぶさっていた。

「母さん、俺から離れないで……!」

 調査なんて言っている場合じゃなくなった。再び戦わなければならない。ウィノン母さんはイサリア母さんと違って戦えないんだ。今は誰もいないから、俺が守らなくちゃならない。


 剣を振る。狂った咎人達に。

 そこに手応えはない。まるで初めから存在しなかったかのように、音もなく消えていく。不快な声と凶器の痕だけが、悪夢のように跡を残していく。

 大柄な騎士の肩を切り裂いた。反逆者と俺を罵っていた。

 片目の傭兵の腹を突き刺した。金の為と笑って剣を振っていた。

 貴族の女を切りつけた。傲慢ながらもその顔はエルシエラ母さんに似ているような気がした。

 錆び付いたナイフを持った少年を殴りつけた。父親を呼びながら涙を流していた。

 少女の頭を両断した。刃物どころかナイフすら初めて握るような素振りだった。

[指輪……[指輪を……]

 皆が指輪を求めていた。指輪と口にして、手にした凶器を振り上げていた。指輪を求め、その為に人を殺すのだと、だからしょうがないのだと、そうして己の所業を肯定しながら、彼らは罪を犯す……

 さらに恐ろしい事に、その半分が身内を語りながら、殺意を保っていた。ある者は[兄さん]と、ある者は[パパ]と、またある者は[大切な娘よ]と……

「……くそっ! 指輪指輪って、なんだっていうんだ! たかが指輪の為に、家族を殺せるって言うのか!?」

 俺の部屋に最初に現れた貴族の少年を思い出していた。彼もまた、“兄”を殺そうとしていた。


 ――――――兄さんなんて、大っ嫌いだ。


 と、そう呟きながら、指輪を求めていた。

「うあああぁぁぁ――――――っっ!」

 気分が悪い。これほどに胸の奥がぐらぐらと煮えたぎったのは初めてだった。

 頭が熱い。四肢の熱が全て集められているかのように、身体は熱く、先端は冷え切っていた。

 剣を振るう。

 泣きながら父を殺した少年を肩から切り裂いた。

 剣を振るう。

 笑いながら息子から指輪を奪い取ろうとした母親の首を刎ねた。

 剣を振るう。

 弟をいらないと断じた兄を頭から両断した。

 剣を振るう。

 嘘を信じて姉を手に掛けた少女に剣を突き立てた。

 剣を振るう……しかし、そこに手応えはない。代わりに、何処からか伸びてきた凶刃が体をかすめ、腰に、太股に、痛みが走った。

「くそおぉっ!」

 身を翻し、さらに剣を振るう。ウィノン母さんに近寄らせない。

 そうだ。誰が、お前達のような穢らわしい奴らを、母さん達に近づけさせるものか!

 声と痕を残し、奴らは消えていく。手応えもないのに、奴らはまた現れる。剣は止まることなく回り続ける……

「ちくしょう!」

 鎧の騎士を、小さな子供を、白髪の老人を、繋がれた奴隷を、煌びやかな貴族を、そして、大柄な兵士を。

 だが振り抜いた一撃は、すっかり忘れていた手応えを捉えた。剣を剣で受け止める、慣れ親しんだ感触――――――

 また、何かおかしな夢でも見ているのだろうか? そう思った刹那、

「馬鹿野郎がっ! 俺まで斬るつもりか!」

 突然の怒鳴り声が両耳から頭に突き刺さった。

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