第5話 間違いは間違いだと信じたい(6月26日)
昨日の『ザ・階段落ち』にも驚いたが、今日の展開の方が驚いたよ。
驚天動地。
ザ・非常識。
森永は……
主任に出世した。
秩序を守って立派だったそうな。
どこの傭兵部隊だよ、ここは‼️
Aクラス8位が、何をしでかし、ああなったか?
よくわからない。
ただ普段からの態度を思うに、生意気な口を聞いたのだと思う。
成績のみが尺度となる、塾と言う『宇宙』の歪みは半端ない。
分を越えたのは間違いないが、だからって、階段から突き落としていいなんて筈がない。
あの後、踊り場で倒れすすり泣く8位は、別の先生の手で救急病院に運ばれた。
幸いにも頭は打たなかった。
若くて良かった。
打ち身程度で骨も折らなかったが、この事態に1番不気味な反応を示したのは彼の両親だ。
「ありがとうございます」と、母親は言う。
「最近は家での態度も目に余る」は、父親。
彼らは行き過ぎの体罰を責めなかった。
「しっかり怒っていただきありがたい。これで少しは懲りるでしょう。」
えっ⁉️それでいいの⁉️
いろいろおかしくない⁉️
常識が根底からくつがえされる感覚。
『常識とは、それぞれが18歳までに身に付けた非常識』とも言うけれど、それにしたって酷過ぎる。
違う星の出来事みたいだ。
そして更に腑に落ちないのは、この日俺に出た辞令。
関連子会社に出向せよ。
思うに、一連の展開に納得がいかない、心底気持ちが悪いと思っている俺は、その不満が外に出ていたと思う。
経営者的には、
『よくやったぁ‼️』と、共に万歳三唱する人格の方が望ましく、
『なんで⁉️どうして⁉️』と、考えることを止めない人格は扱いにくい。
どうやら俺は、厄介払いにあうらしい。
まあ、いいか。
どうせ、でもしかだ。
やりたい訳もない、望んだ訳もない仕事は、かなり気持ちが悪い世界だった。
なら外に出てみよう、と思った。
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