仲直りのはずが

私たちエールライブ5期生の自己紹介配信は最終的に1万3000人の視聴という結果に終わった

まぁ〜平日の真昼間からの配信だから仕方ない

というより私のせいでもあるんだよね…

家を出ると言ったら彼女が猛反対してきて包丁まで出してきてびっくりした

土日祝日は彼女と一日中家にいるからバレる可能性があるから家を出れない

だから私は平日しか配信ができなかった

でもそうなるとローズちゃんとロミィーちゃんは大学の講義があるからさらに時間が限られてくる

頑張って説得しろって?

無理無理

包丁出されて『私の事…もう好きじゃないの…?』

って涙目で言われたら包丁なんかお構い無しに抱きしめちゃって結局説明できなかった

さて、そんな私ですが今は家の前にいます

今は18時

もう1時間は早く帰れると思ったんだけどまさか全部の信号に引っかかるなんて…

彼女はまだ帰ってきてないと思うけど大丈夫かな?

今日こそはちゃんと説明しないと


「…帰ってたのか」


私の家は和式で引き戸を開けようとした時お義父さんが出てきた

ふ、さすがお義父さん

私に気付かれずにここまで来るとはさすが警察官

思わず後ろに飛んで左手を地面につけて前項姿勢になる

昔の癖が未だに抜けない

まぁ3年ちょっとで抜けるなんて思ってないけど


「ただいまお義父さん」

「…荷物だ。あの子が帰ってくる前に行きなさい」

「えっと…なんで知ってるの…?」

「…娘だからな、さぁ行きなさい。あの子のことはお義父さんに任せなさい」


お義父さんは仏頂面で表情筋に神経が通ってるかすら疑いたくなる

まぁ神経はちゃんと通ってるけど

そんなお義父さんは後輩や同期にはすごくしたわれているが上の立場の人たちには嫌われている

優秀なお義父さんに立場を奪われるかもしれないという思いが大きい

とはいえこれは一部の立場にがめつい者達で入れ以外の人達は私と彼女を相談無しに引き取ったり作戦無視しなりリアルで刑事ドラマみたいなことをする人

天性のセンスと少しづつ積み上げてきた経験で今まで失敗したことは無い

というわけで上層部も成果をしっかりあげているから重い処分は下せない

でもお義父さんはひととしてはほぼ理想そのもので上層部も人としては認めているが警察官としてはとなると危険性の高い道を選んだりするので認める訳には行かない

結局悪い人じゃないんだよね…一部の人は違うけど…


「…あぁ、それと…なんだ…」

「うん?」

「…ファン1号はお義父さんだからな」

「…はいはい、もちろんだよ」


私は思わず苦笑いをしてしまう

彼女の時もそうだった

言われたのは初配信の一か月前

それを聞いたお義父さんはお茶を一口飲み真面目な顔で

『チャンネルとツウィンターのアカウントが出来たら一番に言いなさい。私が1番最初のファンだ』

って言ってきて二人で大笑いしたな〜

その時に今回のドッキリを思いついたんだよね


「だからってどこの事務所かすら知らずに決行したのは浅はかだったな〜」


あの日からずっと一緒だった

お義父さんの家に来た次の朝何故か隣にいて…そっからずっと…ずーっと私の隣にいてくれてた

怖かったけど…嬉しかったな…

VTuberになってからは私の隣にいてくれる時間はたしかに減ったけどその分私との時間を今までより大切にしてくれた

…私から離れるのか…


「…ごめんね…あぁ…こんな気分だったんだ…」


sideロミィー・アイスィー&ローズ・サーヴァル


「さて!そろそろお開きね!」

「そうだねローズちゃん」

「それじゃ下、下僕と審査員達!ごきげんよう!」

「またね」


・ローズ様まだ慣れてないなw

・ロミィーちゃんは慣れてきたな

・昔のロミィーちゃんも可愛かったけど今のちょっと冷たい感じもいいよな

・5期生の2人結構相性いいよな

・おいおい5期生もう1人いるぞ

・あー自己紹介から1度も配信してないエールライブ屈指の問題児か


「…にゃーちゃん大丈夫かな…」

「ごめんね…三崎…私のせいで…」

「ちが、そんなわけ…」

「…帰るね…」


私は三崎のことを考えずに事務所の配信部屋から出た

あの日からにゃーちゃんは1度も配してをしていない

マネージャーたちも連絡がつかないって言ってる

かの日から1ヶ月たった

私と三崎は順調に登録者を伸ばして言って私は6万人ちょっと

三崎は7万人後半まで行った

それ対してにゃーちゃんはまだもうすぐ1万人ってとこで止ってる


「私最低よね…にゃーちゃん…アイツの名前も知らないのに知ったような口叩いて…傷つけて…」


あの日のことがたまに夢に出る

なんであんなこと言っちゃったんだろう

もっとほかにあったはずなのに

こんな自分がずっと…ずっとずっとずっとずっと…!

嫌いだった



2人は私よ大切な友達

そんな2人の関係が悪くなった

ならそれは私の責任だ

私が2人の仲を保てなかった

私はいつまで私のままなんだろう

私はいつになったら…強くなれるの…ッ!


「ロミィーさん!ローズさん!まだ居ますか!?」

「マ、マネージャーさん?どうしたんですか?」

「はい!それがにゃーなさんと連絡が着きました!」

「本当ですか?!今までどこに!」


やっとにゃーちゃんと連絡が着いた…!

にゃーちゃん怒ってたのかな…

うんうん、そんなはずない

1回だけ…お互いの顔を見てあった…

私が最終面接まで合格して事務所に来た時緊張と不安でずっと体調が悪くて戻しそうでトイレにいた時に私に声をかけてくれた

私が戻しちゃってもそばにいてくれた

そんなにゃーちゃんが怒ってるわけない…!


「そ、それが…ローズさんが絶対寝ている時間帯を教えて欲しいと」

「それで?」

「それだけです…一方的に切られちゃいました…」


ねぇ、にゃーちゃん

私安心しちゃった

にゃーちゃんはにゃーちゃんなんだって

笑っちゃっても許してくれるよね


「そ、それで…わかったりしますか?」

「そうですね…今日の配信はお互い明日講義があるので早めに開始しました。それから明日は一限から入ってるから帰ってすぐ寝ると言ってましたので0時なら絶対寝てると思います」

「ありがとうございます!にゃーなさん社長と社長秘書の御2人のお気に入りぽいのでこちらもできる限り答えないと立場が…」


にゃーちゃん社長さんと秘書さんのお気に入りなんだ…

御2人はエールライブ0期生としてこの事務所を大きくして行った

そんな2人のお気に入り…きっと才能があるんだろうな…

私だけのにゃーちゃんにしたい…私だけの…ッ!


「ロ、ロミィーさん?どうしたんですか?ちょっと雰囲気が…」

「…なんでもありませんよ…ただにゃーちゃんの連絡先教えてくれます?」

「あ、そらはもちろん!にゃーなさんから渡しといてと電話の後メールが来ましたので!ですがまだローズさんには渡さないで欲しいということです」


そっか、さに私にだけ…

嬉しいな

どうしよう…何送ろうかな…

ま、毎日電話しちゃったりしてご飯に誘ったり遊園地に誘ったり…

デ、デートみたいだな

…それにしてもにゃーちゃんどうするつもりなんだろう?


『緊急配信!!!24時から1ヶ月ぶりの配信をします!アーカイブには残さないので注意!』


1ヶ月ぶりの猫巫女にゃーなのツウィンターの投稿

反応は様々で忘れてたといったコメントもあれば楽しみにしてたや心配してたといったコメントもそれなりに来た

フォロワーが1万人以下のにゃーなにしては拡散された方ではあった


side 猫巫女にゃーな


「集会員みんな〜こんばんは〜猫巫女にゃーなだよ〜」


・お、始まった

・こんばんは〜

・こんばんは!

・ジャスト0時だな

・普通はちょっとのびるのにな


「ふふふっ私はこの時間にやると言ったらやるのだよ!というわけで初配信で足りなかったと思われる自己紹介とこの1ヶ月間何をやってたのか説明します!ん〜それにしても覚悟してたけど視聴者100人ちょっとか〜

登録者も2人とかけはなれてるしやばいですね〜」


・それでそれで?

・この1ヶ月間何を?

・彼女さんにバレたわw?

・結構軽いな(笑)

・焦りそうなものなのになw


「…と見せかけてそんなことはしません!今日はね〜ローズちゃんと仲直りするためのプレゼントを作ります!」


・?

・そゆこと

・やっぱ引きずってたんだな


「そうですね…とゆうわけでローズちゃんの新衣装を描きます」


・ま?

・どゆこと?

・にゃーちゃん只者じゃないなw

・↑ここにいるやつは全員そらに気づいてる(笑)


「そんなわけで!…鳩さんは私が狩るので覚悟しといてください」


・急に怖い!

・怖いけどギャップで萌える!

・どうやって狩るんだ?


「さて、描いてる動画はドッキリでローズちゃんに渡してからツウィンターかどっかに投稿するんでその時のお楽しみにしててくださいね〜。んとじゃあこの1ヶ月何やってたか話すね〜」


・ついに!

・この真っ白な1ヶ月の真相が!

・やっぱりバレた?


「んーん違うよ。彼女はね、私のためなら何でもするって人でね!ずっとずーっと一緒だったんだけど…いや…違うな…ま、そんなことで下手なことしたら簡単に住所特定されるので色々対策してました!」


・感情豊かだな〜

・顔赤くなったり目のハイライト消えたり

・てか…え?マジ?

・住所特定されんの?

・彼女さん凄いな


「でしょ!凄いよね!私の彼女は最高なの!可愛いし綺麗だし私のこと殺したいくらい好きって言ってくれて!その時は嬉しかったな…」


・にゃーちゃんって…

・皆まで言うな愛してるんだね〜純愛だ〜

・てか目ハートになってね?

・てことは殺されてもいいってこと?


「ん?私はいいよ〜…未練なんてこれっぽちも残ってないんだし」


・闇を感じる

・演技じゃね?w

・これが演技ならお前の目は腐ってんな


「それからそれから!」


そのままにゃーなの彼女自慢は続き1時間続きそこから3時間作業雑談作業配信のような形になった

そして配信時間は4時間を超えた

時間が時間だったため見ていたVTuberは2人だけだった


sideロミィー・アイスぃー


「にゃーちゃん彼女さんのことすごい好きなんだ…」


私だってにゃーちゃんが好きだよ?

最初は全然気づかなかったけど1ヶ月音信不通で…気づいたらにゃーちゃんのことずっと考えてたって気づいた

ねぇ…にゃーちゃん…私もにゃーちゃんのこと殺したいくらい好きだよ?

にゃーちゃんも私のこと好きになってくれるかな?


side???


「そうだよね、私の事好きだよね?私も好きだよ。殺したいくらいに。ねぇ?なんでいなくなったの?君を知っていいのわ私だけ、君を愛していいのは私だけ…でもね!私のこと好きって言ってくれたからちょっとだけ許してあげる!いつかは私だけのものにしてあげるからね…殺したいくらい愛してるよ…夜宵…」


side 猫巫女にゃーな


「わ!そろそろやめないとローズちゃんが起きちゃう!」


・そうそんな時間か

・最初の1時間はほぼ彼女さんの話だったな

・ぽい人思い当たる?

・いるにはいるけどリアルと違う可能性が大きいから参考にならない


「そーそー。だからその日を楽しみにしててね!おやすみ!ばいばーい!」


・おやすみなさい

・おやすみ!ばいばい!

・次の配信は1ヶ月後じゃないといいな


「さてと、配信しっかり切ったね!応募用紙書かないと…当たるといいな…」


— — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — —

裏設定?

ローズとロミィーはそれぞれちょっと低めちょっと高めの声で配信してますがにゃーなは地声です






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